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敬老会でのお話し「口八丁 手八丁」

多少の修行はしたものの、大学を出てまもなく家業のスーパーやまとを継いだ私は、倒産後は一文無しとなり、自分で生活費を稼がなければならなかった。

従業員には再就職の斡旋や失業給付もあるのだが、経営者には何の支援もない。破産費用まで地元のカンパで協力してもらったこともあり、恩返しのためには見知らぬ土地でひっそり暮らすことも許されない。しかし、なまじっか田舎の有名人だった私を雇うのも、貧乏神を引き込むみたいで敬遠するだろう。さて、困った…💦

律儀に日々の出来事を記録しておいたので、倒産の顛末を本にできたらいいな…などと勝手に思っていたが、印税目当ての商業出版など夢のまた夢。会社を潰した奴の「負け犬の遠吠え」なんか自分だって聞きたくないが、出版できるなら笑い話として世に出したい。

ところが捨てる神あれば拾う神あり!
業界誌がインタビュー記事を書いてくれたおかげで反響があり、それがきっかけで全国ニュースYahoo!ニュースで取り上げられ、めでたく出版の運びとなった。

私はゴーストライターもなく、電気も止められた社長室で浮かんだ言葉を無心でパソコンに打ち込んだ。

後日書評で「不謹慎」とも書かれたが、お構いなし。
同情話なら世に捨てるほどある。ちなみにタイトルの「こうして店は潰れた」は、私ではなく出版社が付けたもので、それを聞いた妻は「ヒドい!」と落ち込んでいた。
半面私は「ひょっとしたら売れるかもしれない…」と感じていた。

現在は絶版となった書籍『こうして店は潰れた』

本は結局増刷6刷のヒットとなった。
「多少の」印税は税金や生活費に消えたが、自分が稼いだ実感のあるお金は本当に嬉しかった。

ちなみにこの本の出版社が、本を熟読しなかったせいで?倒産するというオチがつく (笑)その結果本は絶版となり、いろいろ暴露された競合他社からは「ざまあみろ!」の声。

そこで負けたら男じゃない!初版の内容にそれからの後日談を加筆して、めでたく「続・こうして店は潰れた」の出版にこぎつけた。
もう本を出すことはないと思った私は、父の前科や行政批判も書き込んでお叱りを受けたが、破産者から賠償金は取れまい (笑)

第二弾「続・こうして店は潰れた」

その頃から「あんたの話が聴いてみたい」とお呼びがかかるようになった。

呼ばれたらどこでも行く、頼まれたら断らないと決めた私は、学校でも敬老会でもお寺でもどこでも飛んでいって話をした🎤
悲しい話をしんみりするなら誰でもできる。悲しい話で笑わせることができれば心に残る。

「死んじゃダメ!どうせもうすぐ死ぬんだから!」まさに口八丁、手八丁。

山梨のきみまろの誕生であるo(^▽^)o

話す自分も楽しい時間!

※最後までお読み頂きありがとうございます!

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【私はこんな人間です】


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