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【みんなは知らない、スーパーの内緒話】

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皆さんが知らないスーパーマーケットの「内緒話」を経営者だった私が公開します!
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2023年9月の記事一覧

創作小説『こうして店は消えていく』 (4/4)

会社の資金繰りが不安だった社長は、銀行への対応を顧問税理士と話し合った。 👤「社長、まずは銀行の元本返済を止めてもらいましょう。これ(リスケ)を頼むにはしっかりした『経営改善計画』が必要です。策定に金が掛かるけど補助金も出る。経営が回復したらまた少しずつ返済を再開すればいいんだから!」 借り入れの大きい「スーパーとまと」は月々の返済が減れば資金繰りは相当楽になる。「そんな簡単にいくのか?」不安に満ちた社長も藁にもすがる思いで『経営改善計画』策定に取りかかった。 全取引銀

創作小説『こうして店は消えていく』 (2/4)

「運転資金500万円を貸してもらえるのか…」 ダメなら万事休す…。銀行からの回答を待つ日々は長く感じられた。 週明け、息子の同級生でもある地銀(メインバンク)の担当者が「追加資料が欲しい」と店を訪れた。追加資料が欲しいと言うことは貸してくれるという前提か?困った時ほど自分に都合よく解釈するものだ。 👤「固定資産台帳なんて何に使うんだ?それより融資は出そうかい?」 担当の若い行員はバツが悪い感じで「本部に稟議を通すために必要なんです」と答えた。 「まだ本部にも掛け合って

創作小説『こうして店は消えていく』 (1/4)

『続・こうして店は潰れた』という本を出した時、架空の店が壊れていく様子を小説に書いた。しかし文字数の関係でこの部分は全てボツ💧 せっかく書いたので『note』に遺しておきたい🙏🏻良かったらお付き合いを! 10の倒産や閉店があれば10通り、それが100なら100通りの原因や事情がある。とかく「売り上げ低迷」とか「借入金負担が経営を圧迫」「人手不足倒産」などとカテゴリー分けされてしまうが、当事者にとっては自社の倒産がすべてである。 ☝️ここであくまで架空のスーパーが破綻に至る

【安物買いの銭失い】

・特売品チラシ片手に隣町の激安スーパーに電車やバス(自家用車も)に乗って買いに行く ・今日は毎月恒例の『ポイント◯倍デー』、単価の高いお酒や調味料、お米や家庭雑貨はこの日に買うのよ! ・友達と一緒に「コストコ」に行くわ!年会費もそこそこ高いんだけど、元を取るために沢山買っちゃう。みんなで分ければ割安になるし ・『業務スーパー』って、名前の通り商売で使う人用のお店だからなんでも安くて助かるわ!冷凍食品や輸入品、箱売りも多いけどプロ用だから信頼できる ・街で有名な激安スー

【呪⭐︎敬老の日〜おまんじゅうの思い出〜】

👤私、このエピソードを毎年『敬老の日』に思い出すことでしょう。 今はもう「夢のあと」ですが。一年ぶりに貼り付けます! 【呪⭐︎敬老の日〜おまんじゅうの思い出〜】 私が経営していたスーパーは、高齢者のお客さん、とりわけお婆ちゃん達に人気の店だった。毎年「敬老の日」には来店したお婆ちゃん全員に、おまんじゅうを一つずつプレゼントして大変喜ばれていた。20年以上続いたので、お客さんも楽しみしている年中行事だった。 チラシに載せるでもなく、ポスターで宣伝する訳でもない。年齢を確か