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コツコツ続ける書く筋トレ、写経トレ

芥川龍之介の羅生門は約 六千文字
太宰治の走れメロスは約 一万文字

こうして文字数でみると読むのにそんな時間が掛からないのも納得です。
……この文字数であの感じ、自分だったら出せるでしょうか?

今回写経してみる事にしたのは、この『羅生門』と『走れメロス』でした。

でもさ~、写経って 本当に意味あるの?
なんとなく、時間がねぇ?もったいないのでは?
だって他に読みたい本がまだまだたくさんあるし……。
という、いいわけがましい言葉が浮かんできます。

調べるといろんな記事が出てきては写経をすすめてきます。
良い事しか書いてありません。
詐欺さぎかもしれぬ。何か落とし穴があるのではと疑いました。

でも、春河童先生も時折やってるしなぁ。
一度 騙されたつもりでやってみよう。そんな心持ちでやってみました。
(※春河童先生:『はるかリセット』という漫画に登場する人物。主人公、専業作家。野上武志著)

高校時代いくつか資格を取ったのですが、その中にワープロ検定がありました。
配布されたプリント用紙に書かれたものを、時間内に正確に打ち込み、速度と正確さをはかるものです。
1級は10分で700文字程度です。
あの頃は余裕で合格しました。
……ふむ。
肩をぶんぶん ブン回して、羅生門はだいたい1時間半もあればいけるかな~?と軽い気持ちで始めます。

……結果はそれより時間が掛かりました。
当然と言えば当然ですよね、そもそも早く打つことが目的ではありません。


羅生門、頭の中に鮮明に場面が思い浮かびます。下人と老婆の息遣いが感じ取れる、そんな距離で観てるような気分になります。
読みながら、言葉にしながら、集中し正確に、噛み締めるように写していたので、そりゃあ時間かかりますよね。終わったあとは どっと疲れました。

個人的には1日10分~15分程度をコツコツとやるのが良さそうです(リンクの記事にも書かれてますね)
初めて読む本や文章よりかは、
読んで印象に残っていつつも、ぼんやりしているものが再読にもなって良いかもしれません。

純文学もよいですが、自分が目指す文章を書いてる作家さんが既に居たり、見つかっている人はその方の作品を写すのがきっと一番ですね。

僕が言うと説得力はないかもしれませんが、ゆっくりと文章力に繋がるような気がしてます。
言い回しとかではなく、間の取り方とか、距離感とか。
〇〇っぽい書き方になってしまうのでは?という心配はおそらく必要ありません。
例えば村上春樹の作品を写経して、一時的に蓄えられて村上春樹っぽく……あくまで一時的なものですが、なったとして、時間が経って消化が進み自分の小説を書くときにはすっかり全く別のものになっているはずです。

読んで書いて写してと、時間がいくらあっても足りないという感じです。
僕も定期的にコツコツと続けていきたいと思います。
少しだけ、騙されたと思ってやってみると、今まで捉えられなかった何かが見えてくるかもしれません。



■表題とは別の話

kouboで逆噴射小説大賞の募集を見かけました。
期間は今月末まで ですが、挑戦してみたり投稿作品を眺めるのも面白そう。
冒頭八百字勝負 

パルプ小説作品については こちらに

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