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倭女王卑彌呼與狗奴國男王卑彌弓呼素

やまとみずほの国に生まれて  第九話

天照覧す 尽く黄泉 朱砂の王」において、卑弥呼はツクヨミと書いた。表に出てくるアマテラスは卑弥呼の弟なのだ。アマテラスが実在の人物なら最初から神ではなかったはずだ。太陽神なのは縄文時代から続く自然崇拝に習合されたのに違いない。「三貴子の誕生は邪馬台国連合国家の誕生」とはイザナギツクヨミアマテラススサノオの名付け親であるとも書いた。

イザナギが阿波北部の粟国を建設したと既に書いたが、ツクヨミは女王国の女王、即ち剣山を中心とする阿波の山岳地帯である高天原を治める。ならばスサノオが治めるのは、阿南橘にて三者会談を行ったのだから、阿波南部の長国である。いや、「紀伊は木の伊の国にして狗奴国」に書いた狗奴国だ。
魏志倭人伝後漢書倭伝では下記のようにその位置が違うことが謎だった。

魏志倭人伝 陳寿
その(女王国の)南に狗奴国あり、男子が王となる。
その官は狗古智卑狗がある。女王に属さず。
女王国の東、海を渡ること千余里。また国あり、皆、倭種。

後漢書倭伝 范曄
女王国より東、海を渡ること千余里、狗奴国に至る。
皆、倭種といえども女王に属さず。

中国表記の奴国が長国なのは「阿波邪馬台国」では常識だ。同時代において中国の北に住む遊牧民を「匈奴」と蔑んでいた。この匈奴の推定上古音にはヒュン・ナグの説がウィキペディアに記載されており、奴国が長国であるのは決して突拍子ではない。人は不明なことは無視する。范曄が写し間違えたとか二文をまとめたかと言うが、長国と信じられたら新しい考えが浮かぶ。

魏志倭人伝原文 倭女王卑彌呼與狗奴國男王卑彌弓呼素不和
日本語訳 倭の女王卑弥呼は、狗奴国の男王卑弥弓呼と旧より不和である。

そう「阿波邪馬台国」を信ずればこそ、吉備は元々和歌山だと導いたし、「吉備氏の乱」の舞台も和歌山だと推理した。「狗」とは「クッ」なのだ。喧嘩する相手に「あの糞野郎」と同じ意味での悪態語を奴国の前に付けた。ならば、男王卑弥弓呼の名前が卑弥呼の「卑弥」と「呼」の間に武器である「弓」だけが入るのは偶然だろうか。否、こちらは古代日本の称号である。

ウィキペディアには卑弥呼の発音が「ピミウォ」の説がある。「ウォ」は「」であり、「ミ」はそのまま「」。平安時代まで「ハヒフヘホ」は「パピプペポ」なので「ピ」は「ヒ(日)」。「卑弥呼」は「日彌王」で、「卑弥弓呼」が「日彌弓王」だ。現代語に訳せば「御大王」と「御大弓王」だろうか。そうなれば「卑彌弓呼素」の「素」が「素戔嗚」に見えてくる。

倭の五王」は中国風の姓名に当てはめ姓だけ書いており、それと同じだ。ならば「卑彌呼與」の「與」は何か。卑弥呼がアマテラスなら永遠にわからないが、ツクヨミとわかれば「月夜見」の「ヨ」だ。「台与」が二文字なのは、豊秋津師比売の「豊」を姓とした。ちなみに各国副官の「卑奴母離」は「卑」だけが称号で、実際は「長の守り」即ちスサノオの配下に違いない。

吉備の特定に苦しんだがこんなに簡単でいいのか?まあ素人の妄想。妄想。

#週刊少年マガジン原作大賞

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