第三次世界大戦
第三次世界大戦は核戦争なのだろうか。核戦争になったら第三次世界大戦と人は呼ぶのだろうか。第二次大戦後も世界のどこかで戦争は続いているが、四分の三世紀が過ぎても世界大戦は勃発していなかいのだがら、国際連合は機能していると言っていい。いやその歯止めは核兵器の持つ抑止力だという見解も正当だ。しかしその前に戦後処理がまだ終わっていない話をしたい。
まずは北方領土の問題だ。領土問題が解決しないので平和条約の締結もできていない。戦争で失った領土は戦争でしか取り返せない。平和憲法を掲げる日本は諦めるしかないが、諦めずに粘り強く交渉を続けるのも得策だろう。なぜなら平和条約は締結していなくても実質の国交は開けているし、多少の制約はあるかもしれないが、民間レベルでの経済活動はできているからだ。
だが、日本人としてもっと心を痛めるべき問題がある。第二次世界大戦後、三つの国が分割されてしまった。その一つが南北ベトナムなのだが、こちらはベトナム戦争にアメリカが負けた後、1975年のサイゴン陥落となってベトナム社会主義共和国に統一された。二つだけの社会主義を国名に冠する国で心配したが、今や中国に代わって世界の工場になる勢いの自由経済だ。
二つ目は東西ドイツであるが、こちらは1989年ベルリンの壁崩壊により東ドイツは西ドイツへ吸収された。民主主義、自由主義経済の勝利であると西側諸国は冷戦の終結を喜んだ。確かに共産主義へ不満があったからだが、きっかけは故意かもと疑ってしまう東ドイツ政府のミスらしい。しかし分割された三つの内二つは統一されたが三つ目の南北朝鮮は分断されたままだ。
未だに朝鮮戦争は休戦状態だし、北朝鮮は世襲独裁を維持していて韓国から呼びかける祖国統一は虚しく聞こえる。1965年日韓基本条約で国レベルで韓国とは和解したが、北朝鮮とはまだ国交すら回復できていない。当初は南の農業国から北の豊な工業国へ密入国が有ったのは逆転した。南北分断は攻め込んだ日本の責任なのだから、幸せな朝鮮半島に戻らないのは切ない。