承認欲求と自立

ギチの完全人間ランドでMCを務める青柳貴哉さんの「Z世代のネオホームレス」を読みました。

これまでのホームレスのイメージからは大きく離れた4人の方のインタビューがまとめられています。
子を持つ親として、色々と考えさせられました。

取材対象の方、その保護者の方、青柳さん、そのそれぞれに共感するところがありました。
自分の中では承認欲求と自立という2つがキーワードなのかなと思いました。

誰かに認められたいという気持ちは、年代によって占有率が大きく変わっているものだと思います。
インターネットネイティブ世代にとっては自分が子供の時に比べて早い段階から広い世界を見ることができ、それゆえ自分のアイデンティティを相対的に確立しなければならないというプレッシャーを感じてしまっているように思います。
こうもアウトプットが簡単に出来てしまう世界だと、他人との比較が出来やすくなってしまいますし、大体の比較対象は成功者になりがちなので、劣等感を持ちがちになるんじゃないかなと思います。
きっと東京や大阪などの大都市圏では地方に比べてそういう意識が強いのかなと、会える人が多すぎて、その中で自分の無力さを感じやすいのではないかなと感じました。
Z世代という言葉でさえ、今生活していて人の口から聞くことはまずないです。
個人的にはアイデンティティの確立に関して、プレッシャーの弱い地域で良かったと思ってます。

また大都市圏に比べて、人の助けを借りやすい風潮があることも田舎のいい所なのかもしれません。
人の助けを借りるのは、自分の無力さが原因だという意識が生まれやすいのかなと思います。
もしかしたら、地域的だけではなく年代的にも若い人ほどそう思いがちなのかもしれません。
自分は今農業と子育てを両立させようとして上手くいかず、実際問題として両親にお金を借りることもあります。
早く事業を軌道にのせて返したいし、一方で孫と遊ぶ機会をたくさん作ってあげたいという気持ちが強いです。
でもサラリーマンのとき、ひたすらに仕事をしていた時は誰かに助けてということは出来なかったかもしれません。
自分で解決しなければならないと強く意識していた気もしますし、誰かに助けてもらうことに慣れていなかったように思います。
本書の中でも出てきましたが、生活保護に対するバッシングを見聞きする機会が多かったり、自己責任論が強くなってきた世代だからかもしれません。
現代の社会的価値観って助けてと言いにくいのかなと思ったりしました。
これが自立という言葉に強く結びついてしまっているのではないかと思いました。
自立、自分だけの力で立つという認識でいるからこそ、助けてと言えなくなってしまっているのではないかと思います。

結局のところ、本書を読んで自分の仕事を頑張ろうと思いましたし、農家になったこと、野菜を作ることを通じて得られた経験を発信することで誰かの役に立てればと思います。

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