感想文

梶原一騎や向田邦子についても興味が湧いたし、高校の読書感想文で読んだ以来に、向田邦子の本を読んでみるかという気にもなった。確か父の詫び状読んだ記憶がある。

ただ、病名をつけて語ってる部分については懐疑的だ。

病気というよりは、傾向という方が近いんじゃなかろうか。本人が悩んだり困ってない限り、病気とは言えない気がする。勿論梶原一騎の場合は周りに悪影響があったり葛藤はあったんだろうとは思うが、実の本人が思うところは分からないわけで。

あと両名とも本人が亡くなってるから、本当にそうかという実証もできないだろうし。実証しようにも、ある一定の傾向を持つ人の特徴のリストに、合致するか/しないかで判断するくらい。

少し逸れるが、精神医学に限らず、特定の傾向を持つ集合にレッテルをつけて、属する/属さないをベースに議論されることが多い気がする。効果的な場面は多いが、人間的傾向や性質というパラメーター(先天的・後天的な環境)が多いものを軸に分類するのはどうなんだろうかと思う。ある一定の効果(例えばこういう傾向がある人はヤバい、みたいな)はあるとは思うけど。それはあくまで個人的な感覚、つまり主観であって、去年引いたおみくじを見返して当たってると思うかどうかに近い。

限りなく診断にズレがない、より科学的な方法で診断されるべきじゃないだろうかと思う。精神医学の対象が脳の(特に神経受容体や神経物質の)問題と考えられているのであれば、(脳だから難しいんだろうけど)脳の状態を見て診断をすべきなんじゃないだろうか。

精神医学が前面に出てしまっているのが読んでて少し邪魔だった。対象とした人や彼らにまつわるエピソードが面白かっただけに、残念。


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