がん様々 20 さまざまな痛みとの出会い
がん患者による、がん患者のための、
がん治療対策マニュアル
3章 抗がん剤治療・後半戦
8 ドセタキセル&ハーセプチン第3回目予想外の激痛に見舞われる
この回は、投与から1週間後くらいから、今までに無い症状が起きました。
4日目のメモより
『副作用が順調に、抗がん剤投与後3日目から予定通り、起きてますよぉ~
2日目にはいつも、今回は起きないかも!!なくらいの気分になるのですが、しっかり健康な細胞はダメージを受けています
反対に、副作用が起きなかったら、抗がん剤が私の身体で戦えていないのか…と不安になるかもしれませんね(笑)
胃もたれ胸焼け、足裏痛も、軽く起きてきています。
だるさは、初日の投与による直接のものはもうないですね。今から起きるのは、粘膜のダメージによるだるさ。
そして、うふふっ♪♬「タベモノ」を直接食べるのではない、次の段階にした新しい「タベモノ」人体実験研究、イイ感じです、かゆみが起きませぇ~ん⤴⤴これで、更に、次回の最後の実験が楽しみになりました(((o(*゚∀゚*)o)))ワクワク
吐き気は、まぁ〜ったく起きませぬ。これは自信満々完璧です。
そして、こんな状態でも、お腹は空くのですね。
アミノ酸、いくつになっても元気に生きていくために絶対の栄養素と感じています。』
この回は、前回苦しめてくれたロキソニンと胃薬の処方をお断りしたので、その分も楽チンになっているのを感じていました。
7日目。夜中にトイレで失神しました。
便座に座りながらだったので、上半身が崩れ落ち、覚めた時の目の前には逆さに映る床が見えていました。脳天が床についていたのです。
昔から、激しい腹痛が続くと失神することはあったので驚きませんでしたが、だいぶ大人になってからは起きなくなっていたので、十数年振りくらいの失神でした。
これは、国がんには脳神経内科が無かったので別の病院で調べることになり、手術後に検査を受けました。
その結果は、脳貧血による症状。迷走神経反射とも言いますかね。検査では何もなく、むしろ脳はキレイと褒めていただいたのですが、総合しての結果をいただきました。
ボクシングで、ボディブローを強く受けたボクサーが失神するのとよく似た症状です。
この失神症状は、現在のドセタキセル治療時でも何度か起きています。この時の腹痛は、普段には起きないような激しい腹痛で、必ず激しい下痢が伴います。
副作用がどこら辺で起きるかのパターンが分かったので、自覚症状でだいたい分かりますし、大事に至るようなことはありませんでしたが、注意が必要です。
ただ、この症状が起きる人はあまりいないようです。
私が元々、激しい腹痛が続いたときに脳貧血を起こしやすい体質なので、このようなことになるのでしょう。
8日目は、出勤しようとしたら横隔膜がこむら返りのような引きつった感じになり(私の感覚では)、身動きできない激痛が1時間ちょっと続きました。
少し治まったかと思ったら、1㎝動いた瞬間また激痛に襲われるという状態でした。
こむら返りが1時間ちょっと続くと想像しただけで痛いと思うのですが、そんな感じです。呼吸もうまくできなくなっていました。
さすがに救急車が頭をよぎったのですが、もし救急車が到着した時に症状が落ち着いてしまったら申し訳ない…無駄に呼んではダメだ…と思い、なんとか動かせた親指でみぞおち周辺を指圧しながら、落ち着くポイントを必死に探していました。
1時間ちょっと経った頃に和らぐポイントを見付け、落ち着いていきましたが、これだけの時間、筋肉がダメージを受けたので、その後遺症的な痛みと痙攣が少しのあいだ続くことになりました。
そして同じ日の19時頃から発熱しました。38度を超え、処方されていた抗生物質を服用。38度超えの熱は、2日間経っても下がらなければ病院へ連絡することになっています。
この時の熱は、お散歩時に寄ったコンビニで買ったパックのドリンクからと私は思っています。これしか理由が見当たらないのです。
そもそもコンビニなど不特定多数の方が商品に触り、レジではお金を触った手で商品をレジ袋に入れるという場所には、様々な常在菌だらけですよね。普通の免疫力があれば共生できるし、同じ地に生きる仲間でいられるのですが、免疫が下がった途端に関係性が変わったのです。
この時から私は、除菌ティッシュを持ち歩くようになりました。
今ではコロナで、感染対策、除菌対策は身についていると思いますので、世間が解放されても、抗がん剤治療を受けている間はコロナ禍と同じように気を付けましょう。
11日目、熱が下がらなかったため、病院へ行きました。
横隔膜がこむら返りのようになったのは、急激な白血球低下により誘発された可能性が高いそうで、このようなことが稀に起きるそうです。
横隔膜のこむら返りのような症状はミオパチーによるものかも、とも想像しています。
私にはやはり、後半の抗がん剤は強いようで、この次回は抗がん剤の量を少し減らす対策をとることになりました。
白血球は、まだ下がっていくかもしれない頃でしたので、落ち着いてきた熱を更に落ち着かせるべく、抗生物質に頼ってあがらないように戦ってもらい、気を付けて生活の時期がもう少し続きました。
この回の熱は、落ち着くまでに時間を要しました。
15日目になっても、突然37.7度まで上がったり、それも乱高下するのです。日常のちょっとした行動で変わるのです。熱が下がらないまま次の抗がん剤治療に入るかもしれないとも思いましたが、この3日後には落ち着いてくれました。
しかし、この様子でも治療や副作用を楽しんでいますね。
ここまで来たら、癖ですね。自然とそのモードで思考が動くのです。
感情は二次的なもので、起きている事実の反応から感情が選択され表現されるという流れになるのでしょうが、私は喜びと楽しみが選択されることが実に多いようです。
この頃、或る がん患者と医療者の協働プログラムへ、がんに対する意識改革への思いをお伝えするという機会をいただきました。
以下、その内容です。
『医療チームの方々は、皆さんの立場で一生懸命してくださっています。
看護師に対しては特に感じていて、国がんの抗がん剤投与センターの看護師の患者に対する細かなチェックや観察、また、私のように乗り越えているモノに対する興味の持ち方には、多くの患者のためになる情報がほしい、という心持ちが言動で伝わってきます。
私は、がん患者の立場で、今あるがんに対する意識の持ち方を変えたり、感情的ではなく、もっとロジカルに想像できるよう、この経験を通して言葉にしていきたいです。がんに対しての想像の整理のしかたを示せたらイイなぁ~、と。
私からしたら、医療現場での副作用対策が発展途上であるように、患者になりうる側のがんに対する意識も発展途上だと思っています。
想像の材料が少ないからだと思いますが、気持ちにもっていかれすぎてドラマチックすぎるようにも感じています。
これだけ当たり前の病気になっていますからね、肉体が故障しないように自身で身体を動かすなどを想像するように、がんもそれくらいのレベルの意識改革ができるようにならないと、と思っています。』
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