業務効率化~急がば回れ!
介護人材不足の中で採用や業務効率化の為に四苦八苦している介護事業所は多いです。事業所の種別により様々なアイデアや手法が施されている事だと思います。
今回は内側から変えられる事、つまり業務効率化の1つとして利用者さんとうまくコミュニケーションを取る事についてお伝えします。
1.時間が掛かる事を利用者と一緒に解決していく
例えば忙しい最中下記のような事が良くありませんか。
夜間帯何度も押すナースコール、
何度もトイレ介助の依頼
認知症による同じ質問や依頼の繰り返し
時間の掛かる食事介助
認知症による、徘徊、弄便
クリアな利用者からの多きに渡る要望
1-1.認知機能低下の物忘れには本人と一緒にチェック表にチェック!
特に短期記憶が低下している場合は、食後にお腹空いた等と言う事が多いです。私も入浴後にお風呂に入りたい等と良く言われておりました。
これに関しては視覚で確認出来るようにチェック表に必ず本人がチェック入れるしかありません。
幸いチェック表の意図を理解して頂ければ、それでうまくいく事も多々あります。日頃から利用者さんに自身でチェック表を見てもらうように説明をしっかりするしかありません。
1-2.認知症による不安、孤独、恐怖は24時間対応!
認知機能がどれくらい低下しているか、又は本人の性格にもよりますが、不安感から執拗に介護士を呼びとめる事が多いです。
ナースコールを夜間何度も押されて、他の業務の支障になる事もあるでしょう。当然安心するような声掛けをするわけですが、夜勤の職員がその時になって声掛けしてすぐに安眠してくれる事はほぼありません。
大事なのは日中の職員も安心するような声掛けを意識してコミュニケーション取る事です。『今日は生け花やったから良く眠れそうですね』『今日の夜勤は○○さんですよ』等とにかく声掛けを増やす事により利用者さんは信頼感と安心感を抱いてくる事が多いです。
一朝一夕で解決しようとして、睡眠導入剤等に頼っていないでしょうか。考えてみれば我々も不安な時に安心してくださいと言われてすぐに安心はしません。
特効薬というものも特にありません。時間が必要です。徘徊、弄便が頻繁な利用者さんに関しても基本は一緒です。
言葉のやり取りが出来ないかもしれませんが、笑顔や優しい声掛け等で日頃から接していくのが遠いようで近道です。
私は不穏でなおかつ、徘徊の強い利用者さんが多少笑顔を見せるようになり、徘徊を減少した事を見た事があります。介護士皆で、日中も夜間も根気よく優しく声掛けしてきただけと言えばそれまでですが。
1-3.夜間頻尿も時には気を逸らす声掛けで改善も!
夜間頻尿の原因として夜間多尿、膀胱容量の減少、睡眠障害等が主にあります。基礎疾患から来ているもので薬の力が必要な場合もあります。又、昼間の活動量により睡眠障害が改善される事等もあり、生活リズムも大事です。
しかし、臥床時間が長い高齢者は一つの事に繊細に気になりがちです。深い眠りに入る事も難しく、一度気になってしまうと残尿感を感じてしまうものです。
介護士として出来る事と言えば、気を逸らす声掛けを多くする事です。男性だとすれば、相撲の話を振る、夕方ならばテレビを付ける等積み重ねの声掛けが大事です。
1-4.クリアな利用者に明確な返答を!
クリアな利用者さんに振り回される事も多いのではないでしょうか。私も録画を頼まれたり、探し物を手伝わされたり色々経験しました。
私の経験も含めて、断言できる事と言えば明確な返答をする事です。出来るかわからない場合はそれも言ってしまう事です。
やらなければいけないのであれば、『誰々さんの介助終わったら来ます』『何時までには来ます』『来れそうになかったらまた報告しにきます』
私の場合はこれを繰り返しているうちに信頼関係が構築されてきたのか、相手も空気を読んでくれたり、気を使ってくれる事もありました。
何しろクリアなのですから、約束は覚えていますし、明確な返答がないまま待たされる事を嫌いますから、イライラしてまた呼ばれるか、クレームとなってしまいます。
2.利用者と一緒に介助について話あう!
利用者さんに介助の方法、時間帯、場所を相談する事で業務効率化が促進される事もあります。勿論業務効率の為の相談が全面的では本末転倒ですが、利用者さんのQOLが最終的に高まる方向を指していれば問題ないはずです。
又、ケアカンファレンスで利用者さんの参加は入所施設ではあまりないのではないでしょうか。しかし、居宅サービスではサービス担当者会議と言われ原則、利用者や利用者ご家族は参加されます。
本人にとっての要望が業務効率に逆行する事もあるかもしれませんが、逆も考えられます。ケアカンファレンスも参加出来そうな利用者さんは是非参加して欲しいですね。
まとめ
今回は業務効率化の為に利用者さんに視線を向け、声掛けだけではなく時には一緒に協力してもらい、相談していく事をお勧めしてきました。
利用者さんの不穏時の徘徊や、コールの頻繁な呼び出し等の影には不安感がある事がほとんどです。近道や特効薬は特にないと思われますが、急がば回れで根気よく声掛けや安心するように接していきたいものです。いつかは信頼関係も構築され、必然的に安堵感もまし、笑顔を取り戻してくれるのではないでしょうか。