担当制に異議あり
ユニット型の介護施設(入所)で居室担当といって利用者の担当制をとっている介護施設があります。平均約2名の利用者の担当職員となります。
家族へ細かい連絡であったり環境整備を行います。
又、そういった業務の中で他の職員より重点的に対象の利用者を視ているので、ケアマネージャーがケアプランを作成する際に使うアセスメント(情報収集)も居室担当がどちらかというと先だって行う事が多いです。
※施設やケアマネージャーによりやり方は異なります。
今回は居室担当についてお伝えしていきます。
★居担、ケア担当などと呼ばれる事もあります
1.居室担当は本当に必要か
介護施設での居室担当は基本的には不要です。しかし施設によってはアセスメント(情報収集)を円滑に実施するのに有効手段です。例えば、役割分担として利用者を分担して注視していく事により、仕事量に均等が取れるでしょう。
しかし、スキルや知識がある介護士ばかりではありません。現に、新人には居室担当を付けないという施設もあります。又、相性もある理由で、1人の担当を決めるという事は信頼構築という意味ではリスクも伴います。
冒頭でお伝えした居室担当の主な役割を整理していきましょう。
1-1.居室担当の役割
①対象利用者の環境整備
②家族への細やかな連絡
③アセスメント(情報収集)実施
1-2.居室担当の役割から視る不透明な必要性
①の環境整備に関しては確かにプライベートな居室は利用者が信頼出来る介護士に依頼したいところです。
しかし、シフトで業務にあたっている介護士通常はまんべんなく、色々な利用者の介助に入ります。特にその介護士が、その利用者さんと親密になれるような体制ではありません。
担当制を強く掲げ、居室担当の利用者さんのより一層のアセスメントにサービス残業をかけてまでする介護士ばかりではありません。
②のご家族への連絡に関しては、入所している限り、特にお変わりがあった際連絡をする事となります。勿論その際はシフトで状況を把握している職員やその時にリーダー格がいれば彼らが迅速に細やかな連絡をします。
改めて後日居室担当から連絡する必要性はないですし、実際していないでしょう。
定期的にお手紙を出すというのであれば、挨拶の意味合いが強くなりますので、居室担当というより、やはりユニットリーダー等の責任者が望ましいです。
③アセスメント(情報収集)に関しては、より精度の高いものをケアマネージャーは実施したいはずです。より良いケアプランを作成できるからです。
アセスメントシートを作成するのもケアマネージャーは仕事ですので、情報提供程度で良いはずです。少なくとも私は特別養護老人ホームのケアマネージャー時代にアセスメントシートを居室担当から受け取った事はありません。
日々、記録を残し、申し送りをし、ケアカンファレンス等でケアマネージャー含めて話合っていけば問題ないでしょう。
まとめ
今回は介護施設(入所施設)の居室担当についてお伝えしました。効率的に分担出来るのであれば問題ないと思いますし、担当制とすべきでしょう。
しかし、私の経験からも挨拶手紙を出したりと本来の意図から少し逸れているような気がします。
又、効率化に関して言えば、居室担当がアセスメントシートを作成し、ケアマネージャーも作成しというのは入所施設では非効率です。デイサービスのような居宅サービスは、生活相談員がケアマネージャーへの情報伝達的な事も行います。
しかし、入所施設となるとその役割は現場に出ている介護士となります。
一度、居室担当について検討してみてはいかがでしょうか。