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オーソモレキュラー療法(栄養療法)栄養解析編
今年2月に受けたオーソモレキュラー療法(栄養療法・分子栄養整合医学)の血液検査から解析結果が出ましたので書きます。(今年3月に既に結果が出ていたのですぐ書けば良かった。サボってました・・・)データ自体は血液検査後1ヶ月のものなので信憑性は高いです。そもそもオーソモレキュラー療法ってなにさ?検査費用どれくらいかかるの?ということに関しては前回の記事にまとめてあるのでそちらをご覧ください。
このnoteでは血液検査の結果を全て公表しています。(僕の身体の中丸見え)
オーソモレキュラー療法ではその結果を解析し、通常の栄養検査ではわからない問題点を炙り出して実際にどんな栄養素を補えば良いのか?を具体的に提案してもらいます。その提案例も公表しています。
前提として、僕は基本的に健康状態は良好だと思っています。運動もするし栄養もそれなりに気をつけている。眠りがすごく浅いとかストレスがすごいとか慢性的な身体の悩みもそこまでありません。(昔より慢性腰痛は激減しています)
一般的には健康優良児のグループに入っていると思いますがそんな僕でも解析結果から補うべき栄養素のアドバイスがかなりありました。
なかなか面白いのでぜひご覧ください。
①分子栄養整合医学的な血液検査の考え方
オーソモレキュラー療法での血液検査は通常通りです。
血液を採取してそこに含まれるタンパクやミネラル、白血球などを数値化します。
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上のデータは一般的な様式のもの。画像では字が小さいですが『↑』『↓』がついていたりすると基準範囲外ということを示しています。
僕の場合は
・『↑』基準値より高い
HDLコレステロール、総ケトン体、3ヒドロキシ酪酸、ALB、A/G比、オステオカルシン
・『↓』基準値より低い
α2(α2グロブリン)、血清亜鉛
という結果でした。基準範囲に収まっていれば=健康、というイメージなのはそのまま。僕の場合、数点範囲外のものはありますが細かな数値を見るとほぼほぼ基準値近く。一般レベルでは健康体と呼ばれるレベルでした。
一般的な栄養検査で解析をすると、HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれているので問題ないよー。亜鉛が足りてないねー。ぐらいしかツッコまれないと思います。
オーソモレキュラー療法ではこの検査結果(数値)を深読みして、根底にある栄養不良を炙り出します。見るべきポイントとしては基準範囲なんだけど数値が低い・高いという点や各カテゴリー(例:白血球分類)内のバランスなどです。
人間の身体の中は化学反応だらけです。僕の結果を引き合いに出して例えてみます。(以下のはイメージです)
例:総ケトン体の数値が高い→この数値が高いのは脂質をエネルギーとして代謝が行われている・活発→その脂質代謝に必要な栄養素はナイアシン(ビタミンB3)→ビタミンB3がしっかり摂れていて、脂質摂取が多いからこの総ケトン体数値が高くなる。
こんな感じの考え方です。実際はもっと複雑です。(後述しますが僕の場合はむしろナイアシンは足りていませんでした。なぜ足りていないかは他の検査結果との整合性を取っていくと明らかになります。)
こんな感じでまず血液検査の結果を見るところから解析が始まります。
②血液検査結果
以下の画像はオーソモレキュラー療法的栄養検査結果です。検査内容は①と同じですが、どこに問題があるかを赤色(重度)と黄色(軽度)注意しています。
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割と色がついていますね。1画像につき1つづつ引き合いに出してみます。
①乳酸脱水水素酵素=LD(LDH)
基準値:124~222 U/L
僕の数値:147 U/L
通常検査では基準範囲内なので引っかかりませんでしたが範囲の中でもやや低い数値。このLDHは乳酸代謝に関与します。乳酸代謝が低下すると筋肉の緊張や全身の疲労が起こりやすくなります。そして、このLDHは補酵素にナイアシン(ビタミンB3)があります。そのため、ナイアシン不足が起きているためこの数値が低めに出ていると考えられます。
②フェリチン
基準値:13~277 ng/mL
僕の数値:67 ng/mL
フェリチン=貯蔵鉄。鉄分ですね。これも基準範囲内ですが範囲の中でも低め。鉄は体内の様々な代謝に必要となるキーミネラルとも言える栄養素。疲労感、頭痛、抑うつ感、易感染性、消化吸収不良などの大元になります。この数値が低いと鉄の総摂取量が不足しているのとタンパク質など総合的に栄養欠乏が予想されます。
※後日、Dr.とカウンセリングした際は僕の運動量(100kmを超えるウルトラトレイルランなど)や日々の食事からすると『鉄の摂取はできているし栄養摂取バランスは良いけど全体的に足りていない』とのことでした。つまりは消耗が激しすぎるんですね。
③白血球像:好中球
基準値:44.0~72.0 %
僕の数値:50.0 %
ご存知免疫に関わる白血球。これも基準範囲内ですが低い数値。アレルギーもないですし、風邪もしばらくひいたことが無い。インフルエンザなんてなんのその。的な生活を送っていますが、好中球はそういった感染などだけでなくストレスの影響で影響を受けます。病気などの免疫力が高いということはおそらくストレスを意外と感じているのかもしれません。または運動のしすぎ。(過度な運動もストレスになります)
こんな感じで上記にあげた例は全て通常の栄養検査では基準値内。「問題ない」と診断されてしまうレベル。しかし、オーソモレキュラー療法的に解析すると色々と炙り出されてきます。
③栄養解析レポート
具体的な栄養解析レポートを載せます。もう丸裸気分ですよ(お恥ずかしい)。
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こんな感じでデータが貰えるのとDr.とのカウンセリングを組み合わせることでより具体的に実生活の中で何が問題かを突き止めます。
僕の場合は栄養バランスは取れている、それは合格点。しかし普段の運動量が多すぎて栄養欠乏に繋がっている、と言われました。つまりはウルトラトレイルランニングをすると消耗がかなり激しいのでそれ相応の栄養を摂ろうね、ということです。たくさん運動してたくさん栄養を摂る。燃費悪そうですね(笑)
④サプリメントレポート
栄養解析が終わったら実生活で何のサプリメントを摂るか、という話になります。その際は別室にて専門の栄養士とのカウンセリングになります。
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僕自身、オーソモレキュラー療法を勉強していますが誰にでも基本的に必要なのが
・ビタミンB群
・鉄
・タンパク質
+ビタミンC
の3つだと知りました。(ビタミンCも大事)どんな文献やDr.の言葉を聞いてもこの3つは外していません。僕の場合も同じで上記3つ(タンパク質は分岐鎖BCAAを含みます)を主にして男性が足りなくなりがちな亜鉛などを追加したものを推奨されました。日常生活で不便がないレベルの方だと同じような処方になるのでは、と考えています。(男性が亜鉛、女性が葉酸、になるくらいでしょうか)
ちなみにビタミンCに関しては以下のnoteに書いてますのでぜひ読んでください。
⑤検査結果から9ヶ月ほど経過した今の状態
この検査の結果を知ったのが21年3月。およそ9ヶ月前です。
そこから上記の必要な栄養素をサプリメントのメーカーを変えながらも継続して日々摂取しています。その身体的・精神的状態を感覚ではありますが共有します。
栄養摂取継続による感覚
・集中力が高まった。スッと仕事(特に不慣れな事務作業)に入ることができる。
・下痢が少なくなった。時折明らかに暴飲暴食した時のみになった。
・丸一日寝ていたい、みたいな感じはない。疲労感が減った感じ。
・甘いもの、糖質をそこまで欲しなくなった。タンパク質と脂質でエネルギーが作れるようになっている。その分体重も自然と落ちている。
・血糖値の乱れが減った。(フリースタイルリブレでの計測をしていないので実際はどうかわからない)精神的な浮き沈みがない。常に黙々淡々と物事が進められる。
・何事にも積極的に行動できるようになった。遊びも仕事もどんどんやりたくなる感じ。
・自分の健康状態の把握がしやすくなった。悪い状態と良い状態が感覚的に掴める感じ。休み時が決めやすくなった。
・腰痛の軽減。おそらくエネルギー代謝向上や腸内環境が良くなったことによる不要な炎症が減ったことによる。
・よく眠れる。ごくたまに夜寝れない時もあったが全くない。
・トレーニング後ほどガツンと多めに摂ると翌日の疲労感が少ない。消耗が激しい時こそ普段の数倍を摂るようにしたらリカバリーが早い。筋肉痛も少ない。
体感でしかお伝えできませんが、かねがね良好だということです。特に仕事疲れ、(脳疲労)の時も正しく栄養を摂ることで疲労感の回復が図れるようになっています。暴飲暴食が減った感じです。
⑥補足・雑感
オーソモレキュラー療法では減糖・断糖を推奨しています。血糖値の乱れはやはり問題ですからね。何でもそうですが食べ過ぎは毒です。特に糖質。厄介なことに糖質は際限なく摂れますからね。中性脂肪として蓄えられるので。
必要とされているビタミンやミネラル・タンパク質に関しては吸収量が決まっているので吸収できない分は排泄されるので過剰摂取に関しては気にしなくて良いと思います。(通常の200倍とかで身体に問題が起こるレベルなのでそもそも摂れません。)中には腎臓への負担が・・・とか言う方がいますが実際にそういった研究データは見当たらないので噂話が広がっただけだと考えて良いです。
そんなことよりも現代人は「質的栄養失調」の方がほとんどなので量よりも質を高めることが最重要なことが多いです。(量が必要な方もいます)
ので栄養面から健康を整えるならオーソモレキュラー療法を受けることをまずお勧めします。全てが治るわけではないですが大抵の不調は改善します。
⑦当院の栄養アプローチ
管理栄養士でもないので本格的な栄養・食事指導はできません。しかし、自分自身でオーソモレキュラー療法を受けたことや学んでいる(結構文献・書籍読み漁ってます)のもあってある程度本質に触れることはできています。
当院の栄養アプローチとしては先に述べた3つの重要栄養素を元にカウンセリングから必要栄養素を推測してお伝えしています。理想はこの血液検査を受けてもらうことですが、兎にも角にも質的栄養失調の改善は検査の有無関係なく必要なのでお伝えしています。
最初はサプリが手に入りやすい iHerb をお勧めしています。
何をどこのメーカーが良いか大抵わからないので僕がその方の予算(毎日飲むものですからね)や症状に合わせて「これとこれ買ってください!」みたいな感じでお勧めをしています。(購入はご自身で)実際に購入して飲むかどうかはそのクライアント次第。お勧めはしますが強制はしません。
正直、長年人の健康に関わっていますが、整体(=運動器へのアプローチ)だけで健康になれるとは全く思っていません。はっきりいって整体だけでは限界があります。捻挫や骨折など分かりやすい外傷であれば整体技術だけで十分。しかし、僕の目的はクライアントの「健康」という超幅広いカテゴリーなので運動器へのアプローチだけでは足りないんですね。もちろん治すべきものは治せますが。
整体(=運動器)と栄養(=消化器)を組み合わせることで血液(=循環器)、脳・自律神経(精神・神経系)、肺(=呼吸器)などへのアプローチをします。もちろん腸内環境の影響へも。あと自然環境との繋がりとかもう多すぎ。
簡単に言うと全部繋がっているんで意識しやすい、触りやすい整体と栄養からやっていこうね、と言うことです。ちゃんとやっていくとちゃんと効果出ますよ。
腸も筋肉も脳も精神も自然も全て繋がっている
栄養に関しては代謝が体内で起こるものなので意識が難しい。筋トレとかは見た目や体脂肪率とかでわかりやすいですよね。しかし、目に見えるものが全てな訳がなく、目に見えない部分(栄養など)は感覚でしかわからない。しかし、血液検査を通して、目に見えない部分を数値化する手段はあります。そういう現代社会に生きているのでうまく活用して健康的で豊かな生活を過ごしていきましょう。
健康=栄養8割:運動2割
運動器を本職とする僕がそういってしまうくらい栄養は重要です。
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