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ぼくがコーヒー屋に突然なった経緯
こんにちは。
YAMANOVA主宰で野外文化活動家の山本喜昭です。
このnoteの中の人です。
いつも読んでくださりありがとうございます。
自分のライフワークを野外文化活動と呼んでいる。
(野外文化活動についてはまたどこかで...)
その野外文化活動というシゴトの中でキーとなる大事なもののひとつがコーヒーメイカーである。
コーヒーメイカーと言っても、電動でコーヒーがジョボジョボと出てくるアレじゃない。
コーヒーを仕入れて商品化して欲しい人に届けるシゴトでいわゆるコーヒー屋だ。
世の中にコーヒー屋さんは星の数ほどある中でぼくが営んでいるコーヒー屋の今は、こうだ。
ネパールの農園からコーヒーの生豆を輸入して、国内で焙煎し、パッケージにつめて、インターネットやイベントで直接お客さんに販売したり、カフェやお店に卸したりしている。
2018年の秋にMOTION GALLERYさんでクラウドファンディングにチャレンジすることからスタートをきり、おかげさまで今(2020年4月)に到るまで商いは細々とだが続いている。ありがたいことである。
昔からぼくのことを知っている知人友人などは、突如コーヒー屋になったので、???だった人も多いと思う。
実際クラウドファンディングやその後もたくさんの仲間たちがコーヒーを注文してくれていて、ほんとうれしい限りなのだが、多かれ少なかれ突如コーヒー屋感をみんな持ちつつ応援してくれているのだと思う。
(手前味噌ながら実際コーヒーが美味いからというのが大きいとも思うのだが)
とにかくだ、ぼくが今扱っているネパールのコーヒーに出会ったのは2017年4月のこと。
エベレスト登頂を目指す仲間から、ネパールの震災復興支援のために彼が当時経営していた宿泊施設で出すコーヒーとして個人輸入しはじめたということを聞いた。
彼が登山家の故栗城史多氏に影響をうけてエベレスト登頂を夢にかかげてヒマラヤに通い始めた矢先の2015年にネパールで未曾有の大震災が起きた。
観光でできる支援をということで、知人を募ってネパールに幾度も通う中でガイドをしていた現地のネパール人から、コーヒーの焙煎所に案内され、仕入れを決めたということだった。
ぼくはコーヒー好きだったけれど、ネパールでコーヒーが生産されているなんて知らなかったからすごく飲んでみたかったし、ヒマラヤのあるネパールに関われるのはアウトドア関連のシゴトをしている中でとても興味がある。
そしてネパールは震災の支援プロジェクトもしていたからなおさらだ。
(ネパールの震災後、当時のBuffというスペインのアウトドアブランドのディストリビューターBLUETAGさん、プロトレイルランナーの宮地藤雄さん、MOUNTAIN MARTIAL ARTSの渋井さんとオリジナルのBuff(チューブ状のネックゲイター)を作り、売り上げ全額を震災支援活動をしていた「しゃくなげの花プロジェクト」(タレントのなすびさん、国際山岳ガイドの近藤謙司さんが主宰)に寄付するというものだった。)
ぼくは、早速そのコーヒーを分けていただき飲んでみた。
んもう、その味の美味いことといったらなかった。
それまでは、ただのコーヒー好きで、そんなにこだわりがあった方ではなかったのだが、それを差し引いても、こんなに美味しい味のコーヒーはこれまで味わったことがない。
豊かなコクとバランスのよい苦味と酸味、ほのかな甘みとスッキリとした後味。しかも、飲めば飲むほど好きになる、スルメ?!的な魅力のあるコーヒー(なんだ、この表現)だ。
ぼくは、惚れ込んでこのコーヒーを日本で広めたいと思った。
詳しく概要を聞くと、森林伐採で荒地になった国有地を国から借り上げ、一から植林し、森を復活させたアグロフォレストリー(森林農法。多様性のある森の生態系の中で育てている。)な栽培法。しかも無農薬、無化学肥料、自家採種でとってもサスティナブル。
ほとんどが手作業で行われている農作業は、カースト(ネパールではまだ事実上残っている)が低く、誘拐や人身売買などの人権侵害から救い出された女性たちの手により行われており、彼女たちの雇用の場になっているのだ。
すばらしいストーリーのあるコーヒーだ。
自然と人の本来もっている生きるチカラを再起動するコーヒー。
そしてその一杯を飲む人がこの循環の輪につながるコーヒー。
コーヒーを介して人と人とがつながるコーヒー。
アウトドアや自然を愛する人たちに。そしてそうでない人たちが愛するきっかけになるコーヒー。
そんなことを妄想し、このコーヒーの取り扱いを申し出た。
コーヒー事業なんてやったこともないし、そもそもモノを仕入れて売るという商売なんてしたことがない。
なのだが、半分発作的、そして直感的に申し出た。
「山本さん、事業としてやられるのだったら、ネパールのウダヤさんを紹介しますから、どうぞ直接ご商売してください。応援します。」
ええええ〜!
そうなのか。なんだか奇跡的なことすぎてうれしい反面、そんなこと自分にできるのかという一抹の不安もモコモコ湧いてきた。
それでもこのチャンスを活かしたいという想いと、自分の直感を信じて、ありがたく紹介してもらうことにしたのだ。
斯くしてほどなく来日されたネパールのウダヤさんと対面することになる。
ウダヤさんは、日本に住んだこともあり、お父さんのラムさんが創業された日本人向けのトレッキングや高所登山のアレンジをする会社の経営者でもある。(日本語もベラベラ、というか日本人より日本語がうまい笑)
コーヒー農園は親戚のオーナーの方と一緒にソーシャルプロジェクトとして運営しているとのことだった。
コーヒーはドイツや韓国などに輸出しているが、日本に正式に輸出するのはウダヤさんにとってもはじめてらしい。
以前に大手コーヒー企業からオファーもあったが断ったらしいのだ。
ウダヤさん曰く、
「缶コーヒーやインスタントコーヒー、大量生産のスーパーで売るようなことはしたくないんです。品質は申し分ないこのコーヒーは、本当に価値のわかってくれる限られた人に適正な価格で販売していきたいんです。
スモールスタートでいいんです。少しずつブランドを一緒に作っていきましょう。」
そんな願ってもない内容の言葉をくださっただ。
ああ、なんてことだ、ほんとこれは奇跡だな。
コーヒービジネス、もっというと輸入ビジネスなんてしたことないぼくにそこまで言ってくれるなんて。
翌年の2018年の3月、収穫期のコーヒー農園を訪れることをウダヤさんと約束し、それまでの約1年間を事前プロモーションや、事業準備を含めた時間とした。
こうして、ドキドキワクワクむはむは胸いっぱい七転八倒の人生がスタートし、ぼくは突如としてコーヒー屋になった。
人生っておもしろい。
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