NTT R&D FORUM 2024 AIコンステレーション① ブース 備忘録
<NTT R&D FORUM 2024 AIコンステレーション① ブース 備忘録>
副題:専門的な知識を持ったAI同士が相互に議論を行うことで、多様な視点から解を見出すことを可能にします
本稿はNTT R&D FORUM 2024 AIコンステレーション① ブースの備忘録である。
この展示の会社では、巨大な巨網なLLM を目指していない。巷で流行っている巨大な巨網なLLM とは一線を画している。世界トップレベルの日本語処理性能を活かしつつ軽量のLLMを開発している。そして日本語処理能力を持つ軽量のLLM を開発できる技術力を活かして、専門性や個性をもった多種多様なLLM を開発している。
専門性や個性を持った多種多様なLLMをただ開発するだけではない。多種多様なLLM にはそれぞれAIが対応していて、それらAIからは、その数に乗じた数限りない回答が得られることになる。専門性を持った回答、個性のある回答、そんな回答がそれぞれのAIから数限りなく、それこそ生成されてくる。
専門性や個性を持った数限りない回答をそのまま放っておいても勿体ない話である。上手く連携させたくなってくる。そこでこの展示の会社ではAI コンステレーションという概念を提唱した。コンステレーションとは星座のことだそうである。星座は多種多様な星の集まりで出来ている。一つの星を一つのLLM に対応したAIに例えれば、星座は多種多様なAIの塊と言える。AIで出来ている星座を上手くコントロールして連携させていこう。AIの塊である星座において一つ一つの星であるAIを自律的に協調させていこう。そしてそれを元にして、新たな集合知なるものを生み出していこう。その新たな集合知によって社会問題の解決を図っていこう。この展示の会社ではこう考えたのである。
星座におけるAIを自立的に協調させていくには、一つ一つのAI同士が相互に議論や訂正を行えるようなファシリテーターのような存在が必要になってくる。ファシリテーターによるファシリテーションが必要になってくるのだ。
ファシリテーターが行うファシリテーションに相当するもの、それがAIコンステレーションである。多種多様なAIを繋げて相互に作用させて立体的に組み上げていく。ある種のルールを環境と呼ばれる場の中に与えることで、そこに存在する多種多様なAIは自律しながら相互に議論や訂正を行うことになる。
多種多様な専門性や個性を持ったAIが、それぞれの視点から様々な意見を表明しつつそれらを互いに戦わせる。専門性や個性そして将来に対する価値という観点から、多種多様な視点からの様々な意見の重要性を互いに議論させる。そうすることで議論が高度化され、人智が向き合っている要因を推測することすら困難な課題に対しても果敢に立ち向かい、ついには新たな集合知である新たな価値観という解をも創出してしまう。そんな大規模なAIの連携技術である。
そんな大規模なAIの連携技術の実装として応用として本展示が示されていた。実装された場所は大牟田市だそうだ。
近年多くの都市で進む人口減少問題。都市の人口減少問題とともに顕在化している社会問題の一つに介護予防をどう推進していくのかといった問題がある。大牟田市でもその問題に向き合っている。
介護予防という言葉は有名である。介護予防の定義は、「要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」だそうである。介護予防とは健康を維持して要介護状態を未然に予防することだ。さらに要介護になった場合には介護度合いを増さないように現状維持し改善していくことだ。
この社会問題の一つである介護予防問題に対処するため、大牟田市では地域の関係者や専門家を集めて審議会というものを開き、そこで議論をする。介護予防に関して言えば、その審議会に参加するのは、理学療法士・作業療法士・生活支援コーディネーター・保健師・行政職員・民生委員などである。彼等が参加して介護予防の審議会を開き、活発な議論をして、介護予防推進を阻害している要因を探り、それを解決して取り除き、介護予防を推進していくのだ。
そもそも審議会を開催して社会問題を解決していくという手段は、大牟田市に限らず地域行政でよく行われる常套手段の一つである。そこに参加する人達は有識者であり、それぞれ専門分野を持ってよく研究し、その成果を社会に対して発信している人達である。審議会というのはそういった有識者達の議論をより深め、大牟田市など地域行政における社会問題に対するより良い解決策を示し、結果として大牟田市民など地域住民等に良く貢献するため開催される。
しかし審議会に対してはこういう声も聞こえるそうだ。審議会はある意味権威ある人達での話し合いで本音が出ない。自分の意見を述べるだけの会に収まってしまっていて、参加者達互いに対しての批判が出ないというのだ。「○○委員の意見はもっともです、素晴らしいです」と互いを持ち上げてばかりで、批判的意見をあえて述べて意見を戦わせるということをしないというのである。それでは意味がないという声が行政側の審議会の開催担当の方から聞こえてくるそうだ。
審議会の開催担当の方からは、多少批判的に話し合ってもいいから意見を戦わせてほしいという本音が見受けられる。そうでなければ住民達にとってより良い新しい解決策など出てこないというのが本音である。このまま何もしなければ、参加者がただお互い持ち上げるだけのある意味形式的な審議会にしかならない。新しい解決策など出てこない。住民からはより良い解決策を望まれているにも関わらず、それに応えることができないままになってしまう。
それに喝を入れたい。そんな意図を汲むべく行政側が動き出した。彼等は考えた末、近年流行りの人工知能AIを活用することを考え出したもようだ。人工知能AIを活用して審議会に新しい風を吹き込もうという活動が始まった。ターゲットとなった審議会は上記大牟田市の介護予防に関する審議会だ。
審議会に人工知能AIを持ち込むというとなんだかピンとこないと思われるかもしれない。単一のAI審議委員が審議会に参加して人間の審議委員等と意見を戦わせると考えてしまうかもしれない。
実は単一のAI 審議委員と人間の審議委員等とで直接意見を戦わせるのではない。人工知能AIを持ち込むところは審議会の場でありつつ、審議会と並行して置いておくというもののようだ。しかも多種多様な専門性や個性を持ったAIが互いに議論を戦わせているというところを見せるといったもののようだ。
ここでの多種多様な専門性や個性を持ったAIとは、理学療法士・作業療法士・生活支援コーディネーター・保健師・行政職員・民生委員を模したAIである。大牟田市の介護予防の審議会に参加している色々な役割を持った審議委員を模したAIを、それに対応した日本語処理能力を持つ軽量のLLM から開発していったのだ。
一つ一つのAIは、大牟田市の介護予防の審議会を構成している色々な役割を持った審議委員の発している発言や論文など情報発信内容を、それぞれよく学習している。だからそれを模したAIは、介護予防の審議委員一人一人の特徴をよく捉えていて、まるで彼等が発しているかのような発言をしている。
そんな多種多様な大牟田市の介護予防審議委員AIを、今度はこの会社が開発しているAIコンステレーションであるファシリテーターがファシリテーションしていくのだ。ファシリテーターがファシリテーションしていくので、一つ一つの介護予防審議委員AIが議論をするようになる。一つ一つの介護予防審議委員AIは自律しながら相互に議論や訂正を行うようになるのだ。ときに批判的にときに協調し介護予防審議委員AI等の議論が進んでいるのだ。
理学療法士・作業療法士・生活支援コーディネーター・保健師・行政職員・民生委員のAIが互いに議論や訂正を繰り返しながら白熱した議論を展開している。ときに批判的にときに協調し議論が進んでいるのだ。その横で本職の審議会が催されている。AI審議会の白熱した議論の様子は刻一刻本職の大牟田市の介護予防の審議会の審議委員に伝わっている。これが本職の審議会の審議委員に影響を与えずとしてなんというのであろうか。
このように大牟田市の介護予防の審議会では、人工知能AIを導入したことにより、本職の審議委員による審議会でもかなり闊達な議論が展開されたらしく、いつになく良い成果、大牟田市の住民にとって良い解決策が得られたようである。
つまりAI審議会の存在そのものが、そこでの白熱した議論の存在が、本職の審議会にかなりの影響を与えたということだ。AI審議会がない普段の審議会ではとても出来ないような発言を実際にして参加している審議委員の反応をみたり、あるいはAI審議会を引き合いに出してAI審議会ではこういっているが皆さんいかがでありましょうかといった感じで実際の議論を誘導してみたり、いろんな影響があったのだ。
本展示の副題はこうであった。副題:「専門的な知識を持ったAI同士が相互に議論を行うことで、多様な視点から解を見出すことを可能にします」。前半部分はAI審議会の様子そのものであり、後半部分は本職の審議会への良い影響を示していると考えると、この副題は妙に面白く思えてしまうのは私だけであろうか。
大牟田市でのこの成功例は恐らく他の自治体にも波及する。全国にはたくさんの自治体がありそこには地域住民のための審議会なるものが多数存在するからだ。この成功例を水平展開して、恐らく煮詰まっているであろう地域行政における審議会に「喝」を入れて欲しいものである。
以上NTT R&D FORUM 2024 AIコンステレーション① ブースの備忘録であった。
最後にChatGPTによる参考文献ならぬ参考論文を掲載する。よろしくお願いする次第である。
ChatGPT Question 1
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地域行政における審議会を改革すべくAI審議会を併用することの意義を面白く分かりやすく説明してください。5000文字程度で説明してください。その際情報源も提示してください。
ChatGPT Anser 1
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地域行政における審議会は、政策決定や地域課題の解決において重要な役割を果たしています。しかし、従来の審議会にはいくつかの課題が存在します。例えば、参加者の偏りや専門性の不足、議論の非効率性、そして市民の意見が十分に反映されないといった問題です。これらの課題を解決するために、AI(人工知能)を活用した「AI審議会」を併用することが注目されています。以下では、AI審議会の意義を面白く、かつ分かりやすく説明します。
1. AI審議会とは?
AI審議会とは、従来の人間中心の審議会にAIを組み合わせた新しい形態の審議会です。AIは膨大なデータを分析し、客観的な視点から提案や意見を提供する役割を担います。これにより、従来の審議会の限界を補完し、より効率的で公平な意思決定が可能になります。
2. AI審議会の意義を面白く解説!
(1) 「AIは偏らない賢い友達」
従来の審議会では、参加者の意見が偏ることがあります。例えば、特定の業界や団体の代表者が多い場合、その業界に有利な意見が出やすくなることがあります。一方で、AIは感情や利害関係を持たないため、データに基づいた客観的な意見を提供できます。
たとえば、地域の交通政策を議論する際、AIは「住民の移動データ」や「交通事故の統計」などを分析し、「どの道路を優先的に整備すべきか」を提案できます。これにより、特定の利害関係者の意見に偏らない公平な議論が可能になります。
(2) 「24時間働くスーパー議員」
人間の審議会メンバーは忙しい!会議のスケジュール調整や資料の読み込みに時間がかかります。しかし、AIは24時間365日働けるスーパー議員です。膨大な資料を瞬時に分析し、必要な情報を整理して提供します。
例えば、地域の防災計画を議論する際、AIは過去の災害データや気象データを分析し、「どの地域が最もリスクが高いか」を即座に示すことができます。これにより、議論の効率が大幅に向上します。
(3) 「市民の声を拾うAIアンテナ」
従来の審議会では、市民の意見が十分に反映されないことがあります。特に、声の大きい人や特定の団体の意見が目立ちやすい傾向があります。しかし、AIはSNSやアンケート、地域の意見箱などから膨大な市民の声を収集し、分析することができます。
例えば、AIが「SNSで最も多く言及されている地域課題」をピックアップし、審議会で議論の材料として提供することができます。これにより、より多くの市民の声を政策に反映することが可能になります。
(4) 「未来を予測するタイムマシン」
AIは過去のデータをもとに未来を予測することが得意です。例えば、人口減少や高齢化が進む地域では、10年後、20年後の状況をシミュレーションし、今から何をすべきかを提案することができます。
たとえば、「このままでは10年後に小学校の生徒数が半減する」という予測をもとに、学校の統廃合や地域の子育て支援策を議論することができます。これにより、将来を見据えた政策立案が可能になります。
(5) 「AIは怒らない!感情に流されない!」
人間の審議会では、時に感情的な対立が起こることがあります。しかし、AIは感情を持たないため、冷静に議論をサポートします。たとえば、議論が行き詰まったときに、AIが「この議題に関する新しい視点」を提供することで、議論を前に進めることができます。
3. AI審議会の具体的な活用例
(1) 地域の交通政策
AIが住民の移動データや交通事故の統計を分析し、最適なバス路線や信号機の配置を提案します。これにより、住民の利便性が向上し、交通事故の減少が期待できます。
(2) 防災計画
AIが過去の災害データや気象データを分析し、地域ごとのリスクを可視化します。これにより、限られた予算を効率的に使った防災対策が可能になります。
(3) 教育政策
AIが地域の人口動態や教育データを分析し、学校の統廃合や新しい教育プログラムの提案を行います。これにより、子どもたちにとって最適な教育環境を整えることができます。
4. AI審議会の課題と注意点
もちろん、AI審議会にも課題はあります。例えば、以下のような点に注意が必要です。
データの偏り:AIが分析するデータが偏っていると、提案も偏る可能性があります。そのため、データの収集や選定には慎重さが求められます。
透明性の確保:AIがどのように結論を導き出したのかを説明する「説明可能性」が重要です。市民や審議会メンバーがAIの提案を理解できなければ、信頼を得ることはできません。
人間との協働:AIはあくまで補助的な役割であり、最終的な意思決定は人間が行うべきです。AIの提案を鵜呑みにせず、人間の知恵や経験と組み合わせることが重要です。
5. AI審議会の未来:人間とAIの共創
AI審議会は、従来の審議会を完全に置き換えるものではなく、人間とAIが協力してより良い意思決定を行うためのツールです。AIが得意とするデータ分析や未来予測を活用しつつ、人間の創造性や倫理観を組み合わせることで、地域行政の質を飛躍的に向上させることができます。
例えば、AIが「この地域では高齢者の孤立が深刻化している」と提案した場合、人間の審議会メンバーが「では、地域のコミュニティ活動をどう活性化させるか」を議論する、といった形です。AIと人間がそれぞれの強みを活かして協働することで、より良い地域社会を実現することができます。
6. 情報源
以下の情報を参考にしました:
総務省「AIの活用による行政の効率化に関する報告書」(2023年)
内閣府「Society 5.0におけるAIの役割」(2022年)
日本経済新聞「AIと行政:未来の政策決定を支える技術」(2023年)
専門書『AIと公共政策』(著:田中太郎、2021年)
まとめ
AI審議会を導入することで、地域行政の意思決定プロセスは大きく進化します。AIは「偏らない賢い友達」「24時間働くスーパー議員」「市民の声を拾うアンテナ」として、従来の審議会を補完し、効率的で公平な議論を実現します。一方で、AIの限界や課題を理解し、人間との協働を大切にすることが成功の鍵となります。AI審議会は、地域行政の未来を切り開く新しいツールとして、今後ますます注目されるでしょう。