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山根沖
2021年12月22日 18:42
仙台の冬の夜市をふたりゆき塩辛き鱈を買ひし思ほゆ 木俣修、『流砂』より。(『日本の詩歌 第29巻』中央公論社 p305』) 解説によれば亡妻挽歌という。背景を知らなければ作者の意図が分からない歌だが、その場合でも、「買ひし思ほゆ」に、何か含みがあるということは感じる。私にとって夜市とは夏の風物詩なのだが、一首の「冬の夜市」とは歳末の、年越し準備のための夜市なのだろうか。仙台という東北の地で