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私の好きな短歌

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私が好きな短歌を紹介します。主に大正、昭和の歌です。時々現代のものも。
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2021年3月の記事一覧

私の好きな短歌、その1

 あ、いいなと感じた短歌を紹介し、簡単な評をします。いわゆる一首評。評をすることが、自分の実作の糧となってほしいと思います。
 まずは、中央公論社の「日本の詩歌 第6巻(島木赤彦、古泉千樫、中村憲吉、土屋文明、岡麓)」で見つけた歌から始めます。文中の作者の年齢は数え年。

中村憲吉『しがらみ』より(『日本の詩歌 第6巻 p195』)

樽負ひてはひる人あり小蓑より乾ける土間に雪をこぼして

 「大

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