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膝とおでん(2024.11.14)

妻が「膝が痛い」というのを連呼している。口癖みたいに。

「大変やな」とか「病院行ったら?」とか「マッサージとかはどう?」とかわりと自分としては親身に聞いているつもりなのだが、「そんなん行ってもしかたない。膝が痛いというのは介護や看護にはつきものなんだ」と言って、それきり話が進まない。つまり、聞く耳を持たない。

だから妻が「あー膝が痛い」と言ってどかどか廊下を歩いているのを私は冷ややかな目で見ていた。「うるせぇなぁ」と思って。

夕飯はおでんだった。この前私が「おでん食べたい」と言ったから、昨日の我が家の夕飯はおでんで、今日も引き続きおでん。2日連続おでん。妻にとっておでんは都合が良い。大量に作れば少なくとも2日は続けておでんにする事ができるからだ。

本当は私が自分でおでんを作りたかった。というかそのつもりで妻には言っていたはずだ。「次の週末はおでん作ろうっと」か何か言って。そしたら昨日の夕方仕事から帰ってきたら普通に鍋に大量のおでんができてたので、びっくりした。もちろんおでんを食べられる事自体嬉しい事ではあるのだが、自分で作りたい気持ちが強かったので、半分は残念に思っていた。

※ちなみに私がおでんをどうしても作りたくなったのは以下の記事を読んだからです。

皆で食卓を囲む夕飯。一足早く風呂に入って、食卓につくのが早かった長男はもうあらかた食べ終わっている。皆の器の中に卵や大根、こんにゃくや厚揚げが身を寄せ合っている。

私は夕方の買い物時に柚子胡椒を買ってきていた。柚子胡椒が切れていたからだ。おでんにはもちろん辛子が合うのだが、私は同じくらい柚子胡椒も好きだ。我が家でおでんに柚子胡椒使うので私だけなので、私は手元に柚子胡椒を占有して、おでんを食べていた。とても美味しかった。

そうやって夕飯を食べている最中にも妻は「膝が痛ぇなぁ」をこれみよがしに連呼する。私も最初のうちはそれに取り合っていたが、何言っても同じなので、途中から取り合わなくなった。そして何度目かの「膝が痛ぇ」の際に私がそれを無視して、「こんにゃくうまっ!」と言ったら、妻は「奥さんが膝が痛いと言ってるのに呑気なもんやな」と私に毒づいてきた。

私はいい加減妻にイラついていたので、「おれが何言っても聞く耳もたんやろ。全然人の意見聞き入れんやないか」と、ちょっと怒った。横で長男が少しびっくりしていた。

実際妻は人の意見を聞かない。私の意見のみならず、心配してくれている自分の家族や友人が何か具体的なアドバイスをしても、立て板に水だ。この前鬱っぽくなった時もそうだった。頑として自分のやり方を曲げないのだ。

だから少し怒った。そうしたところ妻は「ほほぅ、そういう意見なんやな」と言ってその場はそれで収束した。

その後、何事もなかったように夕飯は進行し、私はたくさんのおでんを食べた。夕飯後、妻は風呂に行き、私は洗い物をして、子供たちの歯磨きをした。

ああいう時、妻は平静を装っているけど、多分ちょっと堪えている。「あーーそうだったかーー」と内心思っている。人一倍負けん気が強いので態度には示さないが、少し反省しているはずだ。

2日間おでんを食べたので、しばらくおでんができないのが残念だ。願わくば家族が私を置いて義実家などに出て行った際、ひとりでおでん作って食べてみたい。でもそれはまたいつかの夢だなぁと思う。


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