恐怖の初詣(205.01.01)
元旦も妻の実家。
妻の実家に着くなり、山の超絶上の方にある神社に初詣に行くことになる。
「ああ、今年もやってきたか」と思う。私はこの行事がめちゃくちゃ嫌なのだ。なぜかというと山のほぼ頂上にある神社に行くまでの道のりがほぼ「ポツンと一軒家」のノリで、ガードレール一切なしの、舗装もところどころ壊れているような道を、えんえん脱輪に恐怖しながら車を走らせなければならないからだ。
私は最初の年こそ自分で運転したものの、そのあまりの恐ろしさに怖気づいてしまい、2年目からは妻にハンドルを預ける事にした。なんならもう自分だけ徒歩で行きたいくらいだが、イノシシに襲われる危険があるとのことで、妻の母から本気の圧で止められた。
妻の実家を出て、ダムの横のぐねぐね道を登り、しばらくするとガードレールがなくなり、道の両脇に折れた木々や岩石などがゴロゴロしている険しい道が現われる。道幅は普通車がやっと1台通れる程しかなくて、離合なんて全く無理。今年は時間が遅かったので、地元の人々があらかたお参りを済ませていたから良かったものの、例年だとここで対向車が来る事があるので地獄だ。
道は本当にひどくて、途中崖の崩れた部分から水が流れていて道を横切り、路面(?)がぬかるんでいる部分なんかもあって、とてもエキサイティング。加えて妻が「タイヤ、もうあんまり溝がなくてツルツルなんよね」なんて事を平然と言うから、そんな事はもう山を下りてから言って欲しいと真剣に思った。今言わなくていいだろそれ。
後部座席の子供たちは道の険しさや危険さが分かってないから普通の表情をしているが、脱輪や崖から車が落ちた時の恐ろしさを十分に理解している私は常に戦々恐々としている。助手席で「ギャー」とか「ヒエェ」とかを本当に言っている。
途中で先行する妻の父の車が止まった。何かと思ったら、道の真ん中の岩をどけていた。もうすでに朝から何台も車が通っているはずの道で尚、岩が道を塞いでいると言う事は、それくらい落石が頻繁にあると言う事で、恐ろしい。いつ私たちの車を落石が直撃するか知れないという事だ。
所々道が壊れているところや、ぬかるんでタイヤがスリップしてしまいそうな箇所を通過して、やっとこさ木々が開けて広い空が現われた時は心底ほっとしたが、「まだ下りがある」という事実が再び私を暗澹たる気持ちにさせた。
小さな社に祀られた神様に私たちはお参りした。さすがに山を何百メートルと登ったところにあるだけあって、霊験あらたかな感じがして、神秘的ですらある。大きな一枚岩の下にある社に、すっかり苔むした階段を注意しながら登ってお参りした。次男(3歳)が危なっかしいので手を繋いで登ろうとしたが、「自分で登る」というので辟易した。
お参りしたあとに、皆でそこからの景色を堪能した。遠く四国や別府まで見渡せた。とても良い景色だった。
どういう流れか、皆で山の上から欲しいものを叫ぶという事になって、皆適当な事を言っていた。私は自分で叫ぶのが憚られるので、長男に「200億って叫べ」と言って、長男に「200億ーー!」と叫ばせた。200億はさすがに神様も無理だからその1割だけでも転がりこんでこないかなと思う。
山の下りで再び私は恐怖したが、こうしてnoteを更新出来ていると言う事は無事に山を下りる事が出来たと言う事で、ご精読ありがとうございました!