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よかったね(2024.07.23)

長男(8歳)は夏休みに入って、今週から学童通いが始まった。それに伴い学童用の弁当を私が毎日作らなければならない。

休職中の妻が作ればいいんじゃないかと思わないでもないが、弁当作りは私の役割であるらしく、普段からぎりぎりてんやわんやでやってるのに、さらに毎日弁当を作らなければならないのはマジ勘弁して欲しい。でもやる。つべこべ言わずに手を動かす。四の五の言わずに冷食をチンして詰め込むのだ。

月曜の夜、そうして私は弁当を作っていたのだが、今朝になって、妻が長男を連れ立って映画とかに行くなど楽しそうにプランを考えている。

早起きした長男(神経質)はそれを聞いてはしゃいでいる。おまえ我が世の春だなと思う。毎日がパラダイスだな。一度地獄の合宿とか味わったら良いのに。

色々あれがやりたいとかこれがやりたいとか夢いっぱいの長男。現実の底にいる私の前で、目の中に百花繚乱、花が咲き乱れている。妻は妻でいつも聞こえるか聞こえないかくらいの小さい声でコミュニケーションに難があるのに、なんだか声に張りがあって、ボリュームがでかい。いつもお岩さんみたいな目をしているクセに必要以上にぱっちりおめめになっている。

そんな浮足立った二人とあらゆる重力を一手に受けている私。体が重い。「いいなぁ」と言う言葉しか出ない。

それでふと気づく。「あ、弁当いらないんじゃ?」

長男に「作った弁当持って行くか?」と聞くと「持って行く」と言うが、妻がやめておくように言った。車の中に入れておくと傷んでしまうと言うのだ。確かに、保冷バッグに入れておいていても灼熱の車内に置いておいたら保冷剤などあっという間に溶けて、弁当はダメになってしまうだろう。というかどうせ君らどっかで美味いもん食うんだろ?

とうわけで長男用に作った弁当は宙に浮いてしまい、めでたく私の昼食となった。とはいえ、私がいつも自分用に作っている弁当よりもボリュームがあって、美味しそうなので、それはそれで悪くない。

わくわくしてて、楽しそうな妻と長男。私が仕事に行く際長男が「いってらっしゃい」と私に言った。そしてはたと気づいて「あ、パパに『いってらっしゃい』って言うの珍しくない??」と言ったので「そうだね」と言った。

よかったね。

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