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カボスを買ったら負け(2024.09.13)

一昨日、昼休みに産直の店に行った。ミョウガを買うためだ。

産直の店とは、地元の新鮮な野菜や肉をはじめ、パンやスイーツ、あらゆる加工品などがわりと安価で売っているお店だ。道の駅ととても似ている。

そんな産直の店に昼休みに行けてしまうという点で、私の職場がすごい田舎にあるのではないかと想像される方がいらっしゃるかもしれないが、そんな事はない・・と書こうと思ったが、やっぱりけっこう田舎かもしれない。

久しぶりに産直の店に行ったら、欲しいものがたくさんあって、私はミョウガをはじめ、シラスやレタスやタマネギ、それと地元で有名なカレー屋が出しているチーズナンなどを買った。

そして野菜や果物が所せましと並べられている棚に、カボスもあった。

大分の方以外にはあまり馴染みがないかもしれないが、大分県人はこのカボスを絞った汁をあらゆる食べ物にかけて食べる。鶏の唐揚げやとり天、イカ刺しにもかけるし、タコの唐揚げとかにもすごく合う。

鍋のお供としても欠かせない。鍋の季節になると、必ずカボスをカットしたものが食卓に添えられる。あらゆる鍋料理にこのカボスを少し絞ると、カボスの清涼感が鍋の美味しさを際立たせるのだ。

焼酎のソーダ割にカボスを少し絞るとカボスサワーみたいになってこれも美味いし、カボスがたくさん手に入った際にはカボス汁を大量に絞ってこれを製氷皿で凍らせて、カボス氷なるものを作る。あらゆるお酒にこのカボス氷を入れる事によって、お酒の味に絶妙なアクセントを加える事ができる。

そんな万能選手のカボスが、1袋5個入りの190円くらいで売っていて、私はそれを一度は手に取ったものの、買わなかった。なぜか?大分県人の大半は「カボスは買うものではない」と思っているからだ。

私は熊本出身だが、いっぱしの大分県人を気取っているので、やはりカボスは買うものではないと思っている。ミスチルの歌ではないが、カボスは「気が付けばそこにあるもの」なのだ。

カボスは季節になると、どこからともなく集まって来る。冬のミカンと同じだ。妻の両親が持ってきたり、職場の人がくれたり、家に帰ったらなぜかカゴに大量にあったりする。

だから私は朝食の際、「カボスは買ったら負けだよな。カボスは貰うものだよな」と妻に話したところ、妻はその上を行った。

「違う。カボスは貰うものでもない。カボスはそのへんの木からぐものだ」

なるほど。私よりもさらにド田舎で育った妻の幼少期は野イチゴをはじめ、柿やミカンも木になっているやつを適当に捥いで食べいたらしい。そのへんの草も食べれるもんは食べてたくらいだから、そりゃカボスなんかどしどし捥いでたんだろうなという事は想像に難くない。

そんなだから、我が家はカボスが欲しいけれど、けっして購入はせず、今カボス待ちの状態だ。

早くやってこいこいカボス君。

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