真夜中の嵐。怯える幸子(2024.09.21)
午前0時。目が覚めると雷雨。
雨雲レーダーを見てみると私の家のあたりは真っ赤っかで、絶賛線状降水帯のど真ん中。叩きつけるような雨、そして雷。
妻と子供が眠っている和室に行くと、全員安らかな寝顔。それをしばらく見ていると妻が私に気づいたので「すごい雨が降ってるよ」と教える。すると妻は「幸子(ポメラニアン♀)が怯えてるやろ?」と言うので、幸子のところへ行くと、暗闇の中、幸子の黒い影がケージの中で忙しく動いている。雷が怖いのだ。
幸子が不憫なので、私は幸子の隣で寝る事にした。妻がよくそうしているからだ。ケージの横に一人用の茣蓙を敷いて、クッションを枕替わりにして寝た。
時々雷で外が光る。しばらくしてドーン!と聞こえる。幸子はよせば良いのに聞き耳を立てる。文字どおり耳をピンと立てて、音を聞こうとしている。機嫌が良い時みたいに耳をぺたーっと閉じてしまえば良いのにといつも思う。
激しい雷雨はずっと続いていた。幸子は落ち着かない様子で、なかなか体を横にする事ができないみたいだった。その度に「怖くないよ」と声をかけるが、やっぱり立ったり座ったり寝そべったりを繰り返していた。
あまりよく眠れないので、時々目が覚めた。妻が何度も様子を見に来た。妻は私が幸子の隣で眠っているのを見て「珍しいね」と驚いていた。
眠りが浅いのでよく夢を見た。
リビングの天井が雨漏りして、どういうわけかリビングの床も基礎も全部なくなって土がむき出しになっていた。ものすごい雨漏りだ。外に出ると大勢の人が同じように大雨で家が壊れて途方に暮れているのだが、みんなどこか明るくて「まぁ仕方ないよね」という感じだった。
私はどこから手を付けたものか考えあぐねていた。そんな中幸子がケージを飛び出すので、「まずは幸子をケージに入れなければならない」と、ひとつひとつ冷静に片付けようと努めていた。
目が覚めてそれが夢だと気づいてほっとした。そして幸子はまだ落ち着かない感じでこちらを見ていた。「大丈夫だよ」と言って、私はまた眠った。そして次は空を飛ぶ夢を見た。私は夢の中では常に空を飛べる設定で、車がなくても空を飛んで高速移動できるのだ。
その夢が覚めると、嵐は過ぎ去っていた。幸子もケージの中で寝そべっていた。私は茣蓙とクッションを片付けて自分の部屋へ戻った。