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現代美術家塩田千春さんについて(2024.10.22)

この前の日曜日、NHKの日曜美術館をなんとなく見ていたら現代美術家の塩田千春さんが大阪で大きな個展を開くと言う事で、特集をしていた。

塩田千春さんは大阪出身でベルリン在住。世界的に活躍されるアーティストだ。ちょうど2年前、別府で展覧会をされた事があり、私はそれにこっそり有休を使って出かけた。


別府のほぼ廃墟みたいな建物の中で展開されたインスタレーションは「巡る記憶」というタイトルのように、土地や建物に刻まれた匂いや記憶に命を吹き込み、立ち昇らせるような、生々しくて美しいものだった。

展示は2つの建物を使って行われた。ひとつめはかつて卸問屋だった建物。

この電線を含めたごちゃごちゃした感じが良い


床に水が張られて、その上に繭のような白い糸


朽ちた壁との対比がいい


時々水滴が落ちてきて波紋が拡がる


ドローイングの展示もあった

それともう一か所は、潰れた中華屋を使って展示が行われた。

別府の町中にある潰れた中華屋


有無を言わせない説得力がある


そのままにされていた残置物が多用されている


かつてここで笑い、食事した人々の記憶が語りかけてくるかのよう

この塩田千春さんの個展をこっそり見に行ったのが、noteを始める1日前だった。noteを始めようかという気持ちに最後背中を押してくれたのはこの個展だった気がする。

あの日、別府の町中を彷徨うように歩いた。個展を見て、その記憶や雰囲気をそのまま引きずって。そうしていると町の風景すべてがインスタレーションの延長みたいに見えてきて、誰かの記憶の中を歩いているような気持ちでとても面白かったのを覚えている。

私はその体験を得て、別府の町が持つ独特の匂いとか色を伝える事を目的の一つとしてこのnoteを始めたつもりだったのだが、今は全然違うものになってしまった。それはそれで良かったけど。

今塩田千春さんの大規模な個展「塩田千春 つながるアイが大阪の中之島美術館で開催されている。12月1日までだそうだ。私はとても行けそうにないが、時間と距離の許す方は是非行ってみてはいかがでしょうか。きっと素晴らしい体験が出来ると思います。

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