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精進料理に目覚める3歩前 #44 対馬を食べる
壱岐に行った勢いでそのままワタクシが流れ着いたその場所は
対馬である。
対馬と云えば
どんこである。
どんと来い。
さて。
このnoteはワタクシがアトピーさんと
体調不良さんから逃げ回るために
食事を精進料理の方向に進めていくものである。
あくまでも途中。
なので。
まだお肉も食べたいし
お腹を壊す原因のニンニクも食べたい
小麦粉使って揚げ物も食べたい。。
などなど。
数々の誘惑に立ち向かいながら
進んでいるような進んでいないような状況を記している。
対馬についてこれっぽっちも予習せずに
勢いで壱岐を出たワタクシは
前日壱岐でゲットした粋な情報をふと思い出す。
どうやら宿坊があるらしい。
と。
ふむ。
朝食付きプランにしたとてお寺さんである。
事前にお魚が食卓に登場した情報はゲットしているので
まあ、ワタクシでも食せるものが並ぶであろうと
思い込んでいたのである。
船をおりて港の向かい側へとスーツケース氏と共に
えっちらおっちら坂を登って
見晴らしのいい
お寺さんにチェクイン。
翌朝。
低血圧を理由に
早起きなんぞ意地でもしない生活を
維持してきたワタクシであるが
タダ
という特別感に誘われてのこのこと布団を這い出して
寝ぼけ眼で本堂へとお邪魔して
片足を反対側の太腿に引っ張り上げたスタイルのあぐら
半跏趺坐なる姿勢で
お坊さんのあげる般若心経を必死に追いかけた後
視線を45度くらいに落として座禅開始である。
寝ぼけ眼のワタクシの呼吸の合間に入り込んでくるのは
もちろんこのモンスター。
睡魔ってヤツである。
ワタクシ独りのために座禅タイムを開催してくださっているのである。
呼吸に集中を。。。。
その呼吸の間に割り込んでくるモンスター
睡魔。
すいませんが
睡魔さん。
ワタクシ呼吸に集中したいのでお勤めは夜だけにして貰えませんかね?
睡魔さんとバトルを繰り広げていたら
あっという間に20分経過である。
そこから立ち上がる許可をいただいたのだが
ワタクシの脚は完全にシビれによって感覚を支配されている。
相変わらず寄り道からのスタートであるが
本題である食事の話を始めよう。
シビれから解放されたワタクシが
朝食会場で出逢ったのが
肉じゃがである。
あ、あれ?
精進料理にお近づきになれるいい機会であると思っていたの
だが。
ここに来て数ヶ月ご縁のなかった
四つ足のお肉を食す事になろうとは。
面白い経験ではないか。
目の前にあるのも何かのご縁である。
先程の座禅の前にして頂いたお坊さんの
説法?を思い出して
御膳からワタクシの胃袋へと移動して頂いた。
お豆さん、お豆腐さん、胡瓜の酢の物
フワッフワのミントの乗ったコーヒーゼリー
美味しく頂きました。
お寺を出発して
韓国方向に進んでいく。
何やら対馬は蕎麦が有名なんだとか。
韓国を眺める展望台への道中でお蕎麦をペロリ。
霞の彼方にあるであろう韓国を眺められる場所を
アイパッド氏に思い出として残して頂いて
長い長い対馬をひたすらクネクネしながら
元来た道を戻りつつ
素直に誘惑に従って寄り道をする。
フワッフワのかすまきを口にして
どんこそばんこクッキーなる人生初のクッキーを口にする。
このどんこクッキーが全力でどんこで
でも違和感がないのが絶妙なのである。
いつかもう一度食したい逸品である。
欲張りで有名なワタクシである。
クッキーだけでなくやはり
対馬に来たからにはホンモノのどんこを食したい。
そう思っていたのだが余りにあちこちで
黄金アナゴの名前ばかり目にして
その黄金アナゴに出逢う事に必死になっていたワタクシは
すっかりどんこの存在を頭の奥の引き出しに
大事にしまいこんでいたようである。
夜フラリと扉を開けた居酒屋で
お刺身定食を待つ間ペラペラとメニューの頁を捲りながら
突然ズルズルと頭の引き出しが開いたのである。
めくるめく頁
そして壁に貼られているメニュー
おすすめが描かれている黒板
その全てを確認してみたがどんこという単語は
何処にも見当たらない。
最終手段である。
おばちゃーーーん。
お店の女将さんに猫なで声で尋ねてみる。
おばちゃーーーん。
対馬に来たらどんこを食べるべきだって聞いてきたんだけど
どんこありますか。
あるよーーー!!
なぬ!?
偶然昨日取れたんだよ。
もう終わりの時季だからないと思ってたんだけど
先週くらいに雨が降ったりしたから
ちょうど昨日大将が見に行ってみたら
大きくなりすぎちゃってるのがあったんだよ。
ほら。
1番右側が普通のどんこなんだけど
もうどんこって呼べないくらいに大きくなってたよ。
おばちゃんの小顔がすっぽり隠れるくらいの
特大どんこをバター炒めで注文。
その間にお刺身定食を食そう。
ボリューム満点の新鮮なお刺身定食と
噂の黄金アナゴの天ぷらを食していると
どんこを卒業した巨大椎茸のバター炒めの到着。
肉厚。
毎日でも椎茸を食したいほどの椎茸ファンのワタクシである。
しっかりとバターと塩分を染み込ませた
最高の味付けで登場したこの巨大椎茸を一切れ
何とか箸で持ち上げて口に放り込む。
一切れでさえ一度に口に入りきらないそのジューシーな椎茸を
ホフホフと
口いっぱいに頬張る。
もうひと切れ。
ホフホフ。
お腹いっぱい。
なんたるボリューム。
刺身定食がまだ半分以上待機しているというのに。。。
目の前の食いしん坊は今は救世主である。
刺身定食を救世主に託す事にして
もうひと切れ椎茸を頬張る。
そしてもうひと切れ。
はち切れんばかりの腹で店を出たワタクシは
椎茸氏のその大きな存在よって幸せに包まれている。
いい夢が見られそうである。
さて。
翌日。
ワタクシの対馬での最終目的は
至る所でその名を目にしている黄金アナゴである。
最も有名であるらしいお店はどうやらお休みであるらしい。
対馬出発の刻に急かされる前に
余裕を持って黄金アナゴに出逢いたい。
臨時休業の荒波を乗り越えてとうとう出逢えた黄金アナゴさんは
寿し処 橘さんの特上握りの中で
ワタクシを待ってくれていたようである。
ペロリ。
ワタクシのこの数ヶ月
いやこの数年で1番の贅沢な美味しい対馬。
島の至る所に見かけるハングル文字。
そして韓国料理店もあちこちで発見。
ふむ。
最後にこんなものも食してみよう。
さて。
思い切り食欲に身を任せた対馬を出発しよう。
次はこれまた美味しいものだらけの
北の大地である。