100年前にドイツで刊行された「恒続林(こうぞくりん)思想」を読み解く。日本に浸透する日は来るだろうか??
恒(つね)に続く林と書いて「恒続林(こうぞくりん)」。
今から100年前の1922年にドイツの林学者アルフレート・メーラーが、著書の「恒続林思想」で提唱した、山づくりの考え方だ。(メーラーは同年に死去)
日本の林業政策の主軸はこの「恒続林思想」が否定した「法正林思想」という考え方に基づいている。
「法正林思想」も明治期にドイツから輸入された考え方なのだが、ドイツではすでに否定され、メーラーが提唱した「恒続林思想」に置き換わっているという。
生物多様性、SDGsなどの考え方が重要視される昨今、筆者は日本の林業政策も「恒続林」の方向へ変えていく必要があると感じている。
メーラー没後100年のこの年に、同書を紐解きながら「恒続林思想」とは何なのかを考える。
皆伐と植林を繰り返すのが「法正林」
まず、「法正林」とはどのような考えなのか。
例えば、50haの山があったとする。その山に毎年1haずつスギやヒノキを植林し、50年後に毎年1haずつ皆伐(木を全て切る)して木を収穫。伐採後にまた植林を行うことで「50年生」の樹木を永続的に収穫できるという考え。(下のイラスト参照)
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