【防災】災害時に役立つ無料テンプレート
結論:防災テンプレートまとめリンクはこちら
防災に向けたデザイナーとしての想い
新年、あけましておめでとうございます。
年末にnoteをはじめ、あわただしく毎日投稿しておりましたが、今後はゆるく更新していく予定です。連続投稿の最後に、どうしても今日載せておきたかったのがこの記事です。とても長文ですが読んでいただけると幸いです。
ちょうど1年前、お正月の祝賀ムードの最中、能登半島地震がおきました。
被害にあわれたみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。
私自身は被害の無い地域でしたので、募金以外にもなにか支援できることがないかと必死に考え、デザイナーであること、Canva公式クリエイターであることを活かし、避難所で使える貼り紙テンプレートを制作しました。
もはや、和風ブランディングなど関係なく急にデザインのタッチが変わったので、驚かれた方もいるかもしれません。今回の記事は和風関係ないです。
Canvaのテンプレート審査には1週間から4週間程度かかることもございますので、善は急げとお正月休み返上で制作に没頭したのを今でも覚えています。幸い、早くにテンプレートが承認され4日頃には公開できましたが、もっと前から準備できてればと少し後悔もしました。
そもそも、東日本大震災の折は体調を崩した貧乏学生で、ボランティアはおろか募金すらできなかったことが今でも後悔として残っていました。社会人になり、デザインを勉強し時間にもお金にも少し余裕ができた今、デザイナーだからこそできる防災について考えてみました。
●防災セットに入れておきたい「避難済」貼り紙
こちらは、災害時に家などを空けて避難所に向かう際に玄関などに貼っておく「避難済」を知らせる貼り紙です。
離れた場所に居た家族や、見回りの方に家の中に誰もいないことを知らせることができ、よりスムーズな安否確認や二次災害を防ぐことができます。
災害が起こってからでは停電していたりと準備が難しい可能性があるので、事前に空欄の状態で印刷しておき、筆記具と一緒に防災セットに入れておくのがおすすめです。
デザインのポイント
ここで、デザインするにあたり心がけた点をいくつか紹介したいと思います。
先ずは無料であること。Canvaには無料テンプレートと有料テンプレートがあります。クリエイターがどちらにするか指定することができるのですが、無料テンプレートにするには「有料素材やフォントを使わないこと」が条件です。今回はより多くの人が使えるように全て無料テンプレートにしたかったので、無料素材縛りで制作しています。
※紹介しているテンプレートを使用するにはCanvaの会員登録が必要です(無料)
次に、編集できるテンプレートであること。これはCanvaの強みですが、テンプレートなので編集ができます。ちょっとしたニュアンス違いなどがあっても、臨機応変に書き換えや書き込みが行えます。
そして、英語併記である点もポイントです。とくに去年の震災ではお正月旅行で外国人の方も多かったのではないでしょうか。もちろん、他の言語に書き換えもできます。
最後のポイントは「UDモトヤ明朝」という視認性の高いユニバーサルデザインの書体を使用している点です。また、こういった案内貼り紙はゴシック体を使用する場合が多いのですが、災害時に気分が安らぐよう落ち着いた雰囲気のある明朝体を使用しています。
●安否確認の貼り紙「ここにいます」「探しています」
こちらも事前に印刷して防災セットに入れておいても良いかもしれません。
避難所などの掲示板に貼る安否確認の貼り紙です。
災害時の怖いところはインターネットなどが使えなくなること。また、お年寄りなどインターネットに不慣れな人も多いこと。貼り紙はとてもアナログな方法ですが、まだ必要な連絡手段だと思います。
個人で準備はもちろんのこと、避難所など掲示板を開設するところに事前に印刷して準備しておくのはいかがでしょうか。目的の情報を見分けやすいよう、緑と赤で色分けしています。
●プリンターが使える状況なら写真つきの「探しています」
同じ色トーンで写真つきのより詳細なものもご用意しました。災害が少し落ち着いてきたり、安全な場所から情報を発信される場合、プリンターが使えるかと思いますのでご活用ください。(Canvaはスマホでも編集できます)
もちろん、空欄で印刷しておいて手作業で書いたり写真を貼り付けることもできるデザインにしています。人以外にも物資や大切な探し物にも対応しています。※不要なページは削除してお使いください。
逆にプリンターは無くてもネット環境はある場合、ダウンロードした画像をSNSなどでシェアすることもできます。
そして、ペットも大切な家族ですよね。「探しています」と「保護しています」の2種類制作しました。見出しを「兎」などに書き換えもできます。
●救援物資を送る人、仕分ける人へ
災害時、救援物資が集まったけど中身に何が入っているかわからない段ボールがあったりと、仕分け作業がとても大変という記事を目にしました。
現在はルールもでき、自治体によっては指定の様式がある場合がありますので、先ずはそれを優先し、指定様式が無い場合はこちらをご使用ください。
また、カートンで卸の段ボールごと送る場合はかえって貼らない方がわかりやすい場合もあります。各自必要かご判断ください。
そのうえで必要な場合や、仕分け作業で活用できるかもしれないテンプレートになっています。アイコンと英語表記でわかりやすく、カテゴリー別に色分けしています。下部の詳細欄は空欄で印刷して手書きもできます。
ひとつのテンプレートにまとめていますので、不要なページは削除してお使いください。
●何かと使える「正の字集計表」
災害時は何かとアナログな環境になるかと思います。ちょっとした物の数を数えたり、人数を把握したりと何かと便利な正の字集計表です。
ひとりで数えるならメモ帳で充分かもしれませんが、例えば避難所の受付や「今日お昼ごはんいる人」など複数人で情報をシェアしたい場合に役立ちます。もちろん災害時以外にも。パンチ穴の部分を空けてありますので、ファイリングしても見やすいレイアウトにしました。
●「ボランティア募集」の貼り紙
ボランティアが必要になったら、こちらの貼り紙をご活用ください。
こちらも手書き対応になっていますので掲示板を開設される施設が空欄のものを事前に印刷しておくのもおすすめです。
必要な人材を探しやすくするため「力仕事」「軽作業」「事務仕事」「その他」にカテゴリー分けしてあります。
ここからは避難所運営に使えるテンプレートの紹介です
避難所を運営する立場の方へご活用いただければと思い制作したテンプレートをご紹介します。ピクトグラムと英語併記でわかりやすさを追求しました。こちらも災害時急に用意するのは難しいかもしれませんので、事前に運営マニュアルと共に用意しておくのがおすすめです。
●「避難所受付」の貼り紙
●アナログ索引つき「避難者登録用紙」
災害に停電はつきもの。アナログでの避難者管理が必要になることを想定して、名字の頭文字を塗りつぶすことで簡易インデックスをつくることができます。また、パンチ穴でファイリングすることを想定したレイアウトになっています。
こちらも事前に印刷がおすすめです。大量に印刷する場合は施設のコピー機より印刷通販の方が意外と安かったりします。Canvaでは印刷サービスも行っておりますし、PDFでダウンロードして印刷通販サービスに入稿してもいいかもしれません。
●ピクトグラムでわかりやすい案内表示
性別表記は臨時トイレや更衣室、シャワー室に。ゴミ分別は細かくイラストが編集できますので、自治体の規定にあわせることができます。
●ピクトグラムでわかりやすい施設案内
学校などが避難所になった場合に使える案内表示です。道順案内用の矢印もついています。
●災害時所以外でも使えるマナーポスター
こちらは災害時以外でも、施設などで使える貼り紙です。
Canvaでひろがる防災の輪
長くなりましたが、以上が山文路意匠室が制作した防災テンプレートになります。Canva公式クリエイターのコミュニティでも呼びかけたところ、たくさんのクリエイターさん達が防災テンプレートを制作、紹介してくださいました。
そして、Canva日本公式noteでもこの活動をとりあげていただきました。
他のクリエイターさんが制作したテンプレートも紹介されていますので、ぜひご覧ください。
山文路意匠室は防災に関しては素人ですので、必死に集めた情報をもとにこのテンプレートを制作しました。もしほかにも必要なテンプレートがございましたら、ぜひコメントで教えてください。この記事のシェアも大歓迎です(連絡不要)。
テンプレートが少しでもみなさまの安全を守るためにお役に立てれば幸いです。