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読み聞かせの魅力

『黒グルミのからのなかに』文:ミュリエル・マンゴー 絵:カルメン・セゴヴィア

6年生への読み聞かせ用に選ばれていた本です。死神が消えた世界の話で生と死を考えさせる、といった題材です。

正直、この絵本が本屋に並んでいても自分から手に取らないと思います(笑)。少年が大鎌を持っている表紙はインパクトがあるものの、絵の雰囲気もそんなに好みではないし、タイトルだって「とくに…」という感じです。ところが、面白いんです。そんなお話にも出会わせてくれる読み聞かせっていいなと思います。

市内の研修会でICTの講師などを任されているので、学校外の先生には「ICTの人」と思われているふしがある私ですが(苦笑)、校内では毎週、朝の時間に各教室で読み聞かせをしている読み聞かせサークルの仲間に入れていただいて、教室で絵本の読み聞かせを行っています。

教室での読み聞かせの後は、校内の和室で簡単な反省会をするのですが、そこで知ったのがこの本でした。お話の内容と6年生の反応を聞いているうちに興味が湧き、ちょっと見せていただいたら面白いじゃないですか。早速、自分でも読み聞かせする機会があればとその場でAmazonで購入しました(笑)。

読み聞かせサークルの方々と反省会でいろいろ雑談をすることもいい学びになっています。
「昔、教科書に『おじさんのかさ』ってあったわよね。今、教科書からなくなっちゃったから、今度、読み聞かせリストに入れようかしら」
(わー『おじさんのかさ』懐かしい!「あめが ふったら ポンポロロン
 あめが ふったり ピッチャンチャン」久しぶりに読みたいなー)
「本を読まなくなったって、図書の貸し出し数だけで判断されるけど、〇小の子たちは私たちが毎週、一冊、絵本に触れていて、それを9年間、中学校まで続けているんだからすごいことよ。私たちのやってることって」
(そうです。そうです。すごいことです。こんな恵まれた環境はないと思います!)

パーソナルメディアの普及で子どもたちの触れる言葉の世界が変わりました。国語の教科書の中身も何だか「対話のスキル育成」がメインになってビジネス書のようです。(こんなこと言ってたら国語が専門の先生にお叱りを受けそうなので、小さな声で、、、)

もちろん、こういったことも大切ですし、教室では指導してきました。ただ、一方で本を通して自分の知らない世界に触れたり、やさしい言葉に癒されたり、自分の中の悲しみに寄り添ったり。そんな時間も大切だなって思います。

追伸:朝、急いで処理しなければならない仕事があったりで担当ではない日に読み聞かせに参加せず、職員室にいると、「先生は忙しいから抜けようとしているじゃないか。フェードアウトする気よ」なんて言われていたとか。教頭に聞きました(笑)。いやいや、そんなことないですよー。ずいぶん楽しい息抜きの時間なので(笑)。


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