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オンラインホワイトボード×思考ツールで学びの深化~授業でオンラインホワイトボードを使う(ICT活用)その2

オンラインホワイトボード×思考ツールで学びの深化

オンラインホワイトボードの活用は授業において多くのメリットをもたらします。特に、意見を書き、適切な思考ツールを用いて整理・分析するプロセスは、子どもたちの学びを深め、一人で学ぶ以上の効果を生み出します。

様々なアプリがありますが、無料で使うことができ、これらのツールはもちろん、GoogleWorkSpace、PDFなどを貼り付けたり、単元の学びを俯瞰したりができるオンラインホワイトボード(miroやfigjam)は、今、学んでおくとよいツールだと感じています。

以下にオンラインホワイトボード(私の場合はmiro)その具体的なメリットと効果を説明します。

1. 多様な視点の収集と共有

オンラインホワイトボードは子どもたちが各自の意見を同時に自由に書き込むことができます。これにより、多様な視点や考え方が収集され、共有されます。

例えば、授業で「体の中に取り入れられた食べ物について調べよう」というテーマに対して、様々な疑問や意見が一つのボードに集約されます。これにより、自分一人では気づかなかった観点やアイデアを得ることができます。

2. 効果的な整理・分析の促進

オンラインホワイトボードには、付箋やカラフルなメモ機能、図形描画ツールなどが備わっています。これらを活用して情報を整理・分析することで、学習内容が視覚的に明確になり、理解が深まります。

例えば、食べ物や水の通り道、栄養素、水のゆくえなどのテーマごとに情報を整理することで、それぞれの関係性や重要なポイントが視覚的に把握しやすくなります。

3. 協働学習の促進

オンラインホワイトボードは協働学習を促進し、子どもたちの学びを深めることができます。そのステップを小学5年生理科「流れる水のはたらき」の導入で行った授業を例に紹介します。

①一人一人が考える

まず、生徒一人ひとりが各自の考えや意見を書き出します。これにより、各自の知識や技能が発揮され、個々の視点が明確になります。miroの非公開モードを使えば、自分の書く文字は読めるけど、他の子たちが書いている文字は読めない状態で意見を書かせることができます。協働編集をする際、便利な機能です。

②写真に位置づけ新たな気づきを得る

次に、写真や図表を使って視覚的に整理します。本時では、自分の気づきを写真に位置づけさせました。子どもたちはオンラインホワイトボードに集約された情報を視覚的に確認することで、同じ場所でも視点が違うことに気づいたり、自分が注目していなかった新たな気づきを獲得します。このプロセスで、情報の相互関連付けが行われ、知識の精緻化が促進されます。

③分類することで理科的な見方・考え方を働かせる

そして、集めた情報を思考ツールを用いて分類・整理することで、理科的な見方や考え方を働かせることができます。この分類作業を通じて、生徒たちは論理的思考力や分析力を高めることができます。オンラインホワイトボードの機能を活用することで、視覚的に情報を整理しやすくなり、理解が深まります。

④同様の体験を繰り返すことで精度を上げる

本時では上流の川の様子に続き、下流の川についても同様のプロセスを繰り返しました。同じ活動を繰り返すことで、学びのプロセスをさらに精度の高いものにしていきます。この反復学習により、知識や技能の定着が図られ、汎用的な能力学びに向かう力(意志)が育まれます。

オンラインホワイトボードに記録された内容は、クラウド上に保存され、いつでもアクセス可能です。これにより、子どもたちは学習の振り返りが容易になり、過去の学習内容を基に新たな学びに繋げることができます。また、教師も子どもたちの理解度や進捗状況を把握しやすく、個別指導がしやすくなります。

まとめ:オンラインホワイトボードの利点

オンラインホワイトボードは、あらゆる教科におけるグループ学習の記録と共有を効果的に行うための最適なツールです。ここで紹介した意見の収集、情報の整理・分析、協働学習の促進、学習記録の共有と振り返りなど、多岐にわたる利点を持っています。

  • 多角的な視点と協働学習の促進

  • 深い理解と学びの共有

  • 記録の活用:学びの振り返りと今後の学習への繋げ

授業における学びの質を向上させるツールとしてかなり有効だと感じています。

ここまでの実践を全てmiroで行っています。miroは大学やビジネスシーンで使われるアプリです。シンプルでありながらも多機能なところが魅力です。
小中学校の現場に特化したアプリではないため、最初はとっつきにくさを感じるかも知れません。しかし、使えば使うほど「miroだけで十分!」と感じさせてくれるステキなアプリです。ぜひ、このツールを積極的に取り入れ、未来の教育をより良いものにしていきましょう。


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