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あの日にかえりたい…きらきらひかる過去の懺悔

昨日、郷田マモラの『きらきらひかる 最終章』が出ていることを知って、さっそく電子書籍を購入して、今日読んだ。

2023年出版と書いてあったので、完全に最新の話だと思っていたのだけど、

確かにまだ読んだことのないストーリーだったけれど、携帯電話がパカパカで描かれているし、おじさんが主人公のケツをからかって触るなどのハラスメントがサラッと描かれていた。

これは…と思って調べてみたら、電子書籍版が発売されたのが2023年で、最終章自体は2007年から連載されたものだった。

2007年、僕は24歳で、東京のカフェでアルバイトをして暮らしていた。25歳で新宿区の西武線沿いの古いアパートに住み始めた。近所に仲の良い女友達が住んでいたからだった。

きらきらひかるは、その友達の家で読んでいた。友達の家に最終章がなかったから読んでいなかったのかなあ。

友達のアパートも古くって、台所と6畳の和室の1Kで、丸いちゃぶ台があり、昭和の扇風機があり、ベッドはすのこだった。

友達は本をたくさん持っていた。ビッグコミックスピリッツやガロ系の漫画もたくさんあったので、よく友達の家に入り浸って漫画を読ませてもらったり、ちんこの話に花を咲かせたりしていた。

郷田マモラ、村上もとかのJIN、つげ義春、向田邦子のエッセイなどなど、いろんな本を読んで影響されたなぁ。

向田邦子の常夜鍋はその時に知った。豚肉とほうれん草を酒たっぷりの鍋にくぐらせて、レモン醤油で食べる。

すごく美味しいけれど、使った酒を料理に使わず純粋に呑んだら、それだけで酔えるのにねなんて話しながら食べ、呑み、それからいつも通りちんこの話に花を咲かせた。

お互いそれぞれに恋もしたが、割と散々だったので、恋をするより友達とちんこの話をしている方が楽しかった気がする。

27歳の時、ネットワークビジネスにハマってしまった。頑張れば不労所得が手に入ると目を輝かせ、商品を買いまくり、借金を膨らませていった。

商品の事を知る事に夢中になり、スキンケアが主力だったので肌の仕組みについても学んでのめり込み、色々な人に声をかけて売ろうとしたが、知識だけが膨らんで口ではうまく話せず、みんなに不審がられた。

ある日、友達からファミレスでご飯しようと誘われて行くと、ちんこの友達も含めた4人の友達に取り囲まれて、ビジネスを辞めるように説得された。

セミナーにも通いまくりすっかりハマっていた僕は、その友達の説得に怒り、僕の邪魔をするなんて友達じゃない、信じられないなどとファミレスで大声を挙げて捲し立てた。

今思うと、心から信用していた友達の前だったから、僕は大声で捲し立てる事ができたんだと思う。それくらいにこの4人の友達は、僕を安心させてくれる人達だった。

その友達を突っぱね、縁を切り、
それから今日まで一度も会っていない。

人生の中で悔いがあるとしたら、この4人の友達を失った事が一番かもしれない。

いつか会って、謝る日を夢見ている。

きらきらひかるを、ぽろぽろと涙を流しながら読んだ。死んだ人の想いが司法解剖により解明されていくのを、自分と照らし合わせて読んでしまう。

あの時、僕は明らかに間違っていた。
それを心から認めて、会えない人がいる今日。

今日も、心の中のあるところが、
とても寂しい。

そのことも、素直に認めた。

また、ちんこの話がしたい。


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