過去を癒す事は、いくつもの物語を紡ぐ、とても愉しい創作行為だ。
自分の中にはたくさんの自分がいるという。
人によって態度が変わったり、
流されたりして影響を受ける自分が何人もいる。
TPOに合わせて変える自分なんか、
何通りも存在する。
(TPOは何の略か思い出してみたら、
タイムとプレイスは直ぐに出てきたけど、Oが全然思い出せなかった。それで調べてみたら、Occasion(オケージョン)、場面のことだって。)
そして、時間の流れの中に存在する自分。
これは無限に存在すると言って良いと思う。今の自分とは違う自分。それは過去の自分であり、まだ見ぬ未来の自分。本当にたくさんいる。
僕はここ10年、
主に過去を見つめ直すことをしてきたわけだけど、ある時から過去にいる自分を一旦他人として捉える事を思いつき取り入れることにした。
なぜそれを取り入れたかというと、
はじめから自分として捉えてしまうと、正確に見ることができないから。基本的にその自分を排除したくて置き去りにしていたわけだから、そもそも主観でみることが難しく、拒否反応が出てしまうから。
だから客観的にみる。
とあるアニメやドラマの登場人物みたいに、そのキャラクターを炙り出す。
例えば中学2年生の自分だったら、こんな感じ。
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アニメなら主人公で間違いない。
周りからいじめられていて、いつも下ばかり向いておどおどしている男の子。
この男の子はいつもいじめられてばかりいるが、心の中では相手を殴り殺してやりたいといつも思っていた。
けれどそれが性格上できなくて、ヘラヘラと笑ってやり過ごすことしかできないでいる。
つらい毎日だった。
ある日、机の引き出しから突然ネコ型ロボットが出てくる。
「やあ、ひじき君。僕は未来からやってきたロボット、◯ラえもん。君の願いを叶えるやめにやってきたのさ」
ひじき君は驚きながらも、
「本当になんでも叶えてくれるのかい?じゃあ、僕をいじめる奴を皆殺しにしてよっ!」
「ええ?正気かい?それは無理だけど、VRのヘッドセットならあるから貸してあげる。架空ではあるけど君の願いを叶えることができるよ。大抵みんな、エロいことに使うんだけどね」
ひじき君は◯ラえもんから、ヘッドセットを受け取り装着して、数あるコンテンツの中から「セーラー服と機関銃ごっこ」というのを選び、架空世界に現れたいじめっ子を機関銃でやっつけていった。
バババっ
ババババババババ
ババババババババババババ
気の済むまでVRを楽しんだひじき君は、ヘッドセットを外してこう言った。
「かい…かぁん…」
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これで、第一段階の相手を憎む気持ちを晴らしていく。
こんな感じで、
物語仕立てで過去の自分を癒していく。
そうすると、
結構ネガティブなことも馬鹿馬鹿しく思えてくるというか、重い過去ほど物語が面白くなったりするんだよね。
これは僕の性格にあった癒しの手法で、全ての人がこれをやる事で効果を生むかというと、それは疑問だけれど。
でも、楽しいからやってみる価値はあると思う。
やり方をまとめられたら誰かの役に立つかもしれない、なぁ。
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いったい人生の中で幾つの自分を癒し、捉え直し、物語を生み出せていけるか。
僕はそれにとてもやりがいを感じるし、それで人生がとても愉しくなった。
文章を使って物語を紡ぎながら、自分を仕立てていく。
その愉しさをこれから10年で究めていきたいな。
物語を創作する愉しさを教えてくれた本。
田丸さんのショートショート講座にも参加したら、
すごく楽しくて、それからしばらく物語を書くのにハマった。
過去を捉え直すのにも、この物語の創り方がタメになった。