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「反逆の神話」の消費社会批判の部分を読む メモ用ノートです

 今回の記事は読書メモです。結論らしきものはありません。消費について書いているので興味があれば読んでください。

 この本の中で「消費社会の神話と構造」を批判しています。消費社会とは資本主義がシステムを維持するために広告によって消費をさせるように仕向けているとしています。

 しかし需要と供給は常に均衡していて供給が増えればその分需要も増えるという「セーの法則」を無視していると批判しています。広告によって買わせているのではないと批判しています。消費者が自ら望んだものを買い消費しているのだとしています。

 この本全体の問題意識だと思いますが順応主義が問題とは言えないとしています。

 ではなぜ30年前よりも豊かになっているはずなのに人々は働き詰めなのかという問いがあります。一つには、社会の成長過程の中で生存に必要な基本的な財がまず満たされていきます。衛生的な水や食料、家などです。ところがある程度まで満たされると人間の消費は地位財に移っていくとしています。

 地位財とは、名誉を表す財のことです。地位を見せびらかすための財へと変化していくというのです。それは資本家の策略ではなく消費者が本来もっている性質なのでしょう。そこに莫大な富が消費されていきます。

 地位財とは他の人との差別化なので相対的なものになるしかありません。そのためどんどんとエスカレートしていきます。
 
 2つ目は局所財に使われるというものです。局所財とは都会の便利で良い立地のように増やすことの難しい財です。これは増やすのが難しいので結局競争になりどんどん価格が上昇していくとしています。

 結局消費が人々の間で差別化のために差異をいかにして生み出すかという競争になってしまうとしています。そしてその差異の競争を作っているのは資本家であるブルジュワジーではなく消費者自身であると結論づけています。

 さらに差別化の中で出てきたのが反逆というコンセプトであり、主流派との差異の素として反逆がもてはやされたのだとしています。

 差別化という広告では当たり前に考えられていることを、消費社会批判者はまるでわかっていないということになっています。反逆は消費社会になくてはならないアイテムに成り下がっているという結論だと思います。

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