映画感想文 「君たちはどう生きるか」 贅沢な瞬間を生きさせてもらいました。
宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」を見ました。感想を書いてみたいと思います。
宮崎駿監督作品で、私が覚えているのは「未来少年コナン」ですみ。オープニングのギガントがビルの上を飛んでいる不気味さに度肝をぬかれ、コナンの冒険譚をワクワクしながら見たのを覚えています。それから「カリオストロの城」がありました。私には押井守とともに同時代を生きたアニメ監督です。
宮崎駿監督も今年で83歳です。「君たちはどう生きるか」と「風立ちぬ」の間は10年間が空いていることを考えると、これがもしかしたら最後の劇場作品になるかもしれません。時間がたつのは早いです。私も年を取りました。
この作品は多分ファンタジー作品に分類されると思います。公開されて一年くらいたつので、解説とかは読んでいないのですが、難解な作品とか言われていたので、相当実験的な作品かと身構えてみました。見てみると、確かに説明は少ないです。そのため分かりにくいところはあります。ただストーリーがない、イメージの奔流という感じではありませんでした。主人公の真人が異世界に行って帰ってくるという枠はあります。難解という印象は持ちせんでした。
ただ贅沢な作品だなと思いました。宮崎駿監督のイメージを映像化した部分というのは確実にあり、それをスタッフが実現していくというのは、大変な労力がかかっていると思います。私自身創作のまねごとをやってますけど、イメージを具現化するのは、文章では難しいですけど、労力はそれほどかかりません。アニメのようにワンシーンを作るのに膨大な人と労力をつぎ込むというのは想像を絶します。
丁寧にアニメショーンが作られていて、それを見るだけで満足します。こういう作品が作れるのは、本当に限られていると思います。作りたいといって作れる環境が与えられるわけではないです。そういう意味で宮崎監督にしか作れないと思います。長年の努力と実績がこういう作品を作らせてくれたのです。
一緒に生きてきてこういう作品を見れてよかったです。贅沢をさせてむらいました。