虹
後輩2の最終日でありわたしの次の仕事が正式に決まった日、帰り道の空に虹が出ていた。
虹、本当にいつ振りか分からない。子供の頃にしか見ていないかもしれない。わたしたち全員、幸先がいい。
もっと話してみたかったなみたいな、そういう話をみんなでしておきながら、連絡先は交換しなくて、でも生活圏は近いからいつか会えそうではあって、みたいな、みたいな。
絶望していない時だから気づけたけど、絶望的に人が好きかもしれない。ここが特別恵まれていたとかではなくて、恵まれていたとは思うんだけど、「いい人」は、「もっと話してみたい人」は、本当は思っているよりどこにでもいるんじゃないかって。
じゃあなんで世の中ってこんななのか、全然わかんないんだけど、そう、思う。そう思わせてくれる場所に身を置けて幸せだった。
月明かりわざわざ映像で眺めて人が絶望的に好きだよ
愛してる愛してないを隔ててる紙の紙質をずっと迷って
/山形さなか