山形さなか

主に短歌 うたよみんにいました https://potofu.me/yamagatas…

山形さなか

主に短歌 うたよみんにいました https://potofu.me/yamagatasanaka

最近の記事

【お知らせ】「歌集 すこしさみしい」に参加しています

そぞろ書房さんにて販売中です。よろしくお願いいたします。 通販情報も判明次第追記します。

    • おしゃれパン屋の値札、黒がち

      台風の影響ということで夏休みが一日増えたものの、結局全然いい天気で、本当に行かなくていいんだろうかとそわそわして仕方ない。そしてむしろ明日が雨らしく、最初の挨拶は「間が悪くてすみません」だな……と思った。 やり残したことやって締めくくるか、ということで、お高いパン屋さんでランチ・公営プールでガチ泳ぎの二本立てでいくことに。パン屋さんの初めて食べたパンがめちゃくちゃおいしくて、この店は当たりしかないのかもしれなかった。 普通のことを言うと、2時間って長いし、水泳っていい運動だ

      • 奇跡は発生しなくもない

        「○○さんも今日で最後です。また一緒にランチしましょう~!」という動画を撮影して、後でわたしに送ってくれようとしていた二人組と道でばったり遭遇し、その場でランチ会が発生した。ランチ会というか奇跡だった。 職場の行く末が不安になる情報を多々得つつ、元気も得られたので、帰ってすぐに資格試験の申し込みを済ませる。我ながら鬼畜スケジュールになったけれど、こうでもしないとずるずるいくし。なんか連休も待ってるし、いけるいける。 それよりも新天地初日と強めの台風がバッティングしそうで、不安

        • 夢にも色がなくはない

          夕日を遮るような縦長の雲が怪獣みたいだった。 職場の人が夢に出てくるようになって、夢って失いたくなかったもののための場所だったっけ。 顔が好きという理由で時々見ているコスメ系YouTuberさんの動画を見た後だったので、ブルベとイエベがあるな……と思いながら町の百日紅を眺めた。 花の時期になると町中にあることに気づく樹木第一位、百日紅。 白くまの食べる配分を間違って最終的に練乳を水で溶いたやつになった。 わたしが小さい子供で、わたしが描いた絵を親が勝手にAIに見せてAI

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        • お知らせ
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        記事

          短歌92

          8×4 AROMA SWITCH 教室をシミュレーション仮説だと思った 泥からも生まれる命があってほしい って思わんし 雨雲レーダー 交わらない鼓動がいつか透き通る時のこと思って 水族館 水族館 きみが世界を統べるのはありかなしかで言えば憂鬱 光る海光らん海をより分けて生活をする相手を選ぶ 人々の落胆に耐性がない町の途切れない花火大会 若い宇宙 年老いた宇宙 規模感を見誤りすぎた告白だった 君だけに話したことなんてなかった ジャスミンティーの匂い ありがとね

          枝でも葉でも木でもない

          新しい教本を求めて本屋へ。パソコンコーナーを眺めていたらパワポのデザインに関する書籍がたくさんあって、デザインは元々興味のある分野だけれどそういう形で極めることも出来るのか、と視点の広がる心地だった。学びたいことがたくさんある。短歌連作おしゃれ画像をパワポで作る未来もありかもしれない。 目星をつけていた書籍を買って、現世に存在する幸せを金で買える店ことミスドでお昼にした。ご飯を食べに来るといつも汁そばを頼んでしまうので、たまには違うものを、という数年来の計画を実行して(立地的

          枝でも葉でも木でもない

          トマトと葱しか分からない

          これだけあればどうにかなるやろ、とオフィスカジュアルを爆買いした。店内で流れていたアイナ・ジ・エンドの曲がめちゃめちゃかっこよかったので後で調べようと思う。 寄り忘れたお店に気がついたので、バスを途中下車して滅多に行かない別店舗へと向かう。道中に畑があって、トマトと葱しか分からない……と思いながらじろじろ見ていたら、なんかわたしへと向けられていそうな視線もやけに感じる。そんなに不審だったかしらと振り向いたら、別れたばかりの職場の人だった。 持っていたショッパーでどの街へ行って

          トマトと葱しか分からない

          短歌91

          手土産のセンスだけでここまでやってきた人ぶって渡す手土産 歌っててほしいよきみは 押したって引いたって駄目なら篠突いて 脆い青い花束 影までが私を拒絶していないから夢だな 運命は信じたい時に信じるAIに描かれた女の子 町中華にそんなにオムライスがあるのかまだ知らなくて、光りだす午後 朝顔の残機数える 業者っぽいアカウントからのいいねの通知 果てないねぇ うすまった蝉を聞きながら世界の全部は遠くがいいよ 妙なスタンプ送り続けて朝が来る。妙な二人でいたかったけど

          溶ける絵文字が使えない

          腫れたまぶたに載っているものが、あの部屋に残してきたものが多すぎる。怪奇現象の噂もある建物だったけれど、今後起こるそれはわたしの生き霊だと思ってもらって構わない。 マニュアルや掲示物の一部は誰もいなくなっても残っていく可能性もあって、それは少し怖いなと思う。でも生きるって、何かを作るってそういうことなのかも……。 自分たちの分もあったお菓子の自分の分を取っていなくて、それに誰かが気づいたら発生するであろう一くだりを思うと申し訳なくもあったけれど、その分二個目を取れる人が増え

          溶ける絵文字が使えない

          雨と雨

          なんか全部運命みたい 泣きながら泣いた分麦茶を飲みながら /山形さなか きっとどこにでもいる出会えば好きになれる人たちの中の、他でもないみんなのことが大好きだった。 それなのにどうして終わるのか、終わらせられて、終わらせて、異動や契約期間でいずれはみんな散り散りだったとしてもどうして今だったのか、全然わかんない。本当に当たり前に続いていた日々なのに、飲み込みがたい条件面のリスクを背負えば続けられた、のに。明日も普通に会いたいし、行けるし、やれることはあるのに。 こんなに泣

          後輩2の最終日でありわたしの次の仕事が正式に決まった日、帰り道の空に虹が出ていた。 虹、本当にいつ振りか分からない。子供の頃にしか見ていないかもしれない。わたしたち全員、幸先がいい。 もっと話してみたかったなみたいな、そういう話をみんなでしておきながら、連絡先は交換しなくて、でも生活圏は近いからいつか会えそうではあって、みたいな、みたいな。 絶望していない時だから気づけたけど、絶望的に人が好きかもしれない。ここが特別恵まれていたとかではなくて、恵まれていたとは思うんだけど

          ゆく夏くる夏

          後輩、最終日も光の速さで帰っていって良かった。ぶれずに行けるところまで行ってほしい。 もう交わることはないかもしれないけれどそれぞれに続いていく人生の、その長い時間が健やかな良いものであってほしいと思う。生涯で何人にこれを願うんだろう。 これといったタスクを持たずに真っ直ぐ帰るのは久々のことで、うら寂しさがぽっかりと口を開けていた。 後輩の後ろに続いて「お世話になりました~」と先輩とおどけながら出てきた部屋、まで書いて、続く語を決めてしまうことを、そうやって締めくくりへと向

          ゆく夏くる夏

          アイロンとアイロニー

          顔を合わせるのが嬉しい人たちと別れるのは人から引かれるくらい久し振りのことかもしれなくて、本当にどうしてこうなっちゃったんだろうな。取れなかったリスクのほうを取ってもどうやら大丈夫だったっぽくて、すべては結果論なんだけど。 わたしも間違えてなかったことにしなきゃいけない。やり方は分かんない。 でも万全な状態にして去るための準備は正直ちょっと楽しかったりした。求められていたし。 求められているのにな……。 わたしの頃はまだギリギリなくもなかった就活の時はスカートみたいな風潮

          アイロンとアイロニー

          短歌90

          誰とでも恋に落ちるよ遠い日のチープな街灯に謝って 冷やしながら動かす体 部屋中の時計をいつか壊したとして かぶれそうな気がして髪を染められないそういう風に失った月 誕生日を祝う知らない良い歌の心にこんなにも自他がある 柚子ジャムの光つややか手放して戻ってこなかった日々の人 冷帯魚 きれいなことをきれいって言わせてくれる人だからすき 冷房のねむけこころを児童館に市民プールに置いてきている 任意のジャムを無糖の炭酸水で割ると魔法の実在の証明 ユーフォリア誰にも届か

          キャットとヒッポとシンデレラ

          じゃあ次の紙幣は誰がいいか、という話をして、さかなクンか招き猫という結論になった。ご検討ください。(選定理由:さかなクンならまずいことはやらかさないため。普通の猫にするとどの柄がいいか人間が揉めるため。) 新紙幣、とりあえずとっておいてホログラムを眺めて楽しんでいるけど、よく考えたらとっておくべきは“旧”紙幣のほうなんだよね。 商店街の果てから駅へ向かう道中、姿は見えなかったけど団地のどこかにいるらしい猫と、その猫と大声で喋って(?)いる道路の向こうの大きな猫と、猫を探し

          キャットとヒッポとシンデレラ

          結果、夏のサボタージュ

          本当に?というくらい狭い通路上にある席に通された。本当に?度合いで言うと引き戸を開けて階段を上がったアパートの二階の一室にあったそぞろ書房さんといい勝負、タイマン張れる。にぎやかなために余計にみんなの話す声が大きくなっていて、真横にいる親子の進路相談がはっきり聞こえて世知辛かった。わたしもこの後面接だよ、何時間も前にやって来てランチとウィンドウショッピングを挟む余裕綽々のスケジュールだよ、上手くいかなすぎて。逆に。私服指定だったからはげかかったネイルも落とさずにむしろキラキラ

          結果、夏のサボタージュ