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溶ける絵文字が使えない

腫れたまぶたに載っているものが、あの部屋に残してきたものが多すぎる。怪奇現象の噂もある建物だったけれど、今後起こるそれはわたしの生き霊だと思ってもらって構わない。
マニュアルや掲示物の一部は誰もいなくなっても残っていく可能性もあって、それは少し怖いなと思う。でも生きるって、何かを作るってそういうことなのかも……。

自分たちの分もあったお菓子の自分の分を取っていなくて、それに誰かが気づいたら発生するであろう一くだりを思うと申し訳なくもあったけれど、その分二個目を取れる人が増えるからなので、わざとなので……正確には半分わざと、半分ほんとに忘れていて言い出すことも取ったかのような細工ももはや出来なかったからだけど、どうか買い出し係渾身のチョイスたるそれが今後の難局を乗り越える糧に少しでもなればと、切に願っている。
いただいたお菓子も同封のラインナップを見る限り超絶可愛くて、わたしも今後誰かに何か贈る時には是非このお店を利用したい。開けて食べてしまうのがもったいないけれど、悲しいかな今は全てを溶かす夏なのだった。部屋で始業を待つ時の後輩も、最後の朝にロッカーで鉢合わせた先輩もよく溶けていたっけ……。

どうしてこうなってしまったんだろうって思い続ける。悔しくてはち切れそう。


謎の八百屋(と呼んでいる八百屋)でサラダを買って帰ろうと思ったら、それだけでおなかがいっぱいになるような巨大なサラダボウルだけがあった。今日は残り物のピザを食べることがメインなので諦めてコンビニへ行く。これから毎日昼食を考えないといけない、どうしよう。
正直堂々としていれば社食にも入れそうな気はする。


マブの猫も日陰で溶けていた。君が動き回れる時間にここを通ることは少なくなるけれど、また涼しくなった頃にでもゲリラ的に相手してほしい。


青い海の青さに憂いとかはなくてヒルナンデスが見れる生活

/山形さなか

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