昔の作品を見たら個人情報の扱い雑。
個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)は2003年に成立・公布されたとか。
組織やメディアでの個人情報の扱いは、それ以前・以後で大きく変わった。
物心ついた年齢以上でその時代を過ごした大抵の日本人なら、解ると思う。
ところが個人情報保護法が始まって20年、その間に今の個人情報の扱いがもうフツーのこととなって、ある意味飼い慣らされてたんだなということに気付く。
2003年以前に制作された資料・作品、もしくは2003年以前の世界をモチーフにした資料・作品の中では、個人情報の扱いがガバガバにゆるい。控えめに言ってザルだろう。今では考えられない。
過去を舞台にしたある小説では、申し訳程度に「プライバシーに引っ掛かるので…」という登場人物のセリフが出てくるが、現在のプライバシーの概念のほんの申し訳程度にしか、プライバシーを重要視していないような様子が伺える。
素性を偽った訪問者の自己紹介を鵜呑みにし、ある卒業生の在校当時の様子を記した資料を、当人の与り知らぬところでその訪問者に提供する副校長。
「ここに書かれたこと以上のことにつきましては、プライバシーに関わりますのでちょっと…」
もうひっくり返してもなにもでないくらい、全部提供したあとの一言。
不動産屋は、立ち寄った素性も知れぬ男にあるアパートの周辺事情について尋ねられ、聞かれてもいないことに快く答え尽くす。
時代だなぁ。
脚で稼ぐタイプのどぶ板刑事が大活躍した時代だろうなぁ。