バッチャと子育て~年の差80歳のひ孫育て!〜02.「朝は戦争のわが家」
朝は戦争のわが家
相変わらずわが家では小学生の息子が朝七時前に学校に行くので、遅刻しないようにと毎日が戦争状態です。「飯は食ったか? 顔洗ったか?」と、朝から大声で怒鳴るバッチャ。まるでヒットラーです。
『サザエさん』の作者である長谷川町子さんが、自分の母親につけたあだ名が「ヒットラー」だったのですが。昔の人はあだ名を付けるのが上手ですね。
わが家のヒットラー(バッチャ)が言います。「ボサラッとして、親さ似て欲しいところは似ねんで、似てほしくねえところは似てまって!」と。しかし、遺伝というものは得てしてそういうものなんじゃないかと思うのです。
長男が学校に行き、次男が保育園に行くと、わが家の戦争は一旦終了。
「朝は……大変ですよね」とバッチャに声をかけると、「いくさだ……」と返事が来ます。いくさって。やはり、バッチャには戦国時代がよく似合うのです。
バッチャが本領を発揮するのは、私のいない日です。「おばあちゃん、この日は東京からお客さんが来て、黒石を案内する予定なので子どもたちをお任せてしていいですか?」と言うと、バッチャは「バゲ飯かへて(晩ご飯を食べさせて)、寝かせておけばいいんだべ?」とイキイキ顔に。
バッチャは新しい計画を持ちかけられると、よりイキイキとしてくるのです。
バッチャの心の中では既に、何日の何時にどこで買い物をして、何を食べさせるかが決まっています。しかも、バッチャは私の期待以上のことをいつもやってくれる人です。何が起こるのか、出かけるのが楽しみだったりします。
そんなわけで、東京の友達を連れて黒石観光へ。伝承工芸館で手作りのうんぺいを買い、黒石のつゆ焼きそばを食べに、江戸時代の情緒溢れるこみせ通りへ出かけました。
つゆ焼きそばを初めて食べたみんなは、大感動。
「本当に汁に焼きそばが沈んでる……しかも、海老天が載っててキャベツや肉が浮かんでる!」「味……味はどうなの?」「味は……やっぱりソース味?」
と、食べてる本人でさえも判断がつかないという不思議なお味でした。
「おお~、メニューに攻めの姿勢が……コーヒーぜんざい頼んでみようか?」「コーヒーぜんざいって、コーヒーが入ってるの?」「頼んでみなきゃわからないよ!」
そして出てきたコーヒーぜんざいは、やっぱりあんこがアイスコーヒーの底に沈んで、白玉とバニラアイスがプカプカ浮かんでいたのです。
「新しい! 新しすぎるよ!」
コーヒーぜんざい、まだあのお店のメニューにあるのでしょうか?
私は青森県民の、「とりあえず汁をかければ何でもうまい」という発想が好きです。
下北の「けいらん」も、あんこ餅にダシ汁をかけた不思議なお料理ですが、これは絶対おいしいですよね。しょっぱみと甘味がたまらないはず。
家に帰るとバッチャはすっかり一日の家事を終え、息子のズボンにアイロンまでかけてくれていました。
「おばあちゃん、これナイロン素材だから無理かと思っていたけど、アイロンかけれるんですね!」「低温だば、大丈夫だねん」
お姑さんに甘えるのは勇気がいりますが、たまには勇気を出して甘えてみると、新しいことが起こるのかもしれません。
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