漫然と生きていてはいけない
私の母は91歳で「明日、私はどうなっているか分からないと思いながら日々生きている」と言っています。そしていつもその言葉の後に「明日は死なんけどね」と付け加えます。
私は母と共に生活をしていることがありがたいなと思っています。それは人が生きると言うことはどう言う事なのか、母から毎日のように教えられているからです。
歳をとると少しずつできなくなることが増えてきます。一年前と比べると老いの変化が如実に分かります。人はそんなふうにして年を重ねていくんだと言う事を母が身をもって教えてくれているような気がします。
母は、間違いなく老いているのですが、そこに気力が加わると老いにストップがかかるのです。
気力があると老いを緩やかな速度に遅らせることが出来切る上に、奇跡まで起きうるのだと言うことを母が私に見せてくれています。
91歳の体は弱ってくるし、足も動きにくくなって、腰も曲がってきて姿勢も悪くなってきます。色々な事をするのが面倒になって物事にも無頓着になってきます。同じことをよく言っているし、伝えたことを覚えていない時もあります。
洗顔も、歯磨きも、トイレに立つのだってすべてにおいて大変なのに母はそれらすべてを気力で補っているのです。
母は自分が出来きなくなりそうな事に気力でストップをかけているようです。
好きなイラストを描くことを日課にしている母は、イラストを描くためのエネルギーを生み出すために、自分自身を管理し、食事をして、睡眠をとり、体を癒して老化を遅らせ、描き続ける楽しみを持続しています。
体の様々なバランスの悪さを気力で補い、保とうとしているのです。
ビックリするのは母は脳の働きが去年よりも良くなっていることです。それは気力を保とうとする自身の努力の成果だと思います。
失っていくであろうものを自分の気力でセーブしている母の姿を目の当たりにすると「人は漫然と生きていてはいけない」と思うのです。
母は好きな事を見つけてそれを楽しむために自分自身を出来る限り健康に保とうとしています。そのために気力を持ち続けているのです。
日々生きる目的を持つことがいかに大切なのかを私は母から教えられました。素晴らしい人生のお手本が身近にいて、本当に幸せだと思っています。
私はいつも自分に言い聞かせています。「漫然と生きていてはいけない」と。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《昨日できたことが出来んならんように頑張るんよ》
大好きなインスタントコーヒーを楽しんでいるばあばと。
「毎朝、目覚まし掛けて起きるようにしよるんよ、毎日の日課は怠らんように続けよるよ、体の都合で順番が変わっても、毎日やる事はやりよんよ」
「お母さんの根性はスゴイね」
「昨日できたことが出来んならんように、頑張りよんよ、そのために毎朝とにかく、食べて元気を出すんよね」
恐ろしいほどに気力を持って物事に取り組み母を見ていると私もいつの間にか頑張っています。
【ばあばの俳句】
ときめきや今日はGOTO秋の午後
私たちの生活は少しづつ日常を取り戻しつつあります。様々な事に配慮しながらこの日はお出かけです。母はたまらなく嬉しい様子をイラストに描きました。
身近な所へでも出かけられる幸せを感じているイラストと句です。こんな機会がもっともっと増えるとときめく毎日になるはずです。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
たくさんある記事の中から、私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただき心よりお礼申し上げます。
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私のアルバムの中の写真から
また明日お会いしましょう。💗