67歳◇仕事へのアプローチが変わった
私は、母校のOB会のお手伝いをさせて頂いています。
先日、コロナ禍で3年ぶりにやっと開催されたイベントの司会をする機会がありました。
アナウンサーとして長く仕事をしている私ですが、たくさんの人の前で司会をするのは久しぶりでした。200人くらいの式典の進行役です。
司会台の前にいる時、私は少し緊張していました。
暫くのブランクがあった上に、人の役職や名前を間違ってはいけない気を遣う司会だったからです。
私は、これまで以上に丁寧に伝えていたと思います。
ゆっくり、しっかり、嚙みしめるように読みました。今までこれほど丁寧に読んだことが無いくらい慎重に読んでいました。
式典自体の雰囲気にはふさわしい進行だったので、違和感はなかったと思います。
司会の進め方やムード作りには、その場に適した方法があります。TPOがあるのです。
リラックスした雰囲気が必要な進行であれば、そのやり方は間違っていたと思います。
私の台本は、びっくりするくらい大きな文字で書かれていました。
老眼鏡をつけないで進行したかったので、担当の方にお願いして、通常の3倍くらいの大きさでコメントを打っていただいたのです。
文字が小さいと、字が判読できない時に読み間違いをする可能性があると思ったからです。
司会台の上がA3の台本でいっぱいになっていましたが、おかげで人の名前を読み違えることもありませんでした。台本の文字を大きくしてもらったことは良かったと思いました。
祝電を伝える時だけは、おもむろに老眼鏡をかけて間違えないように、小さい文字をしっかり追って読んでいました。
昔の司会の準備とは違ってきたなというのが実感です。歳を重ねるとはそういう事です。
歳を重ねて良かった事もありました。
一言一言を大切に伝えられるようになったのです。
いつも私の言葉を聞き返してくる母の姿を見ていて、誰の耳にも届く速度で伝えなければと思うようになったからです。
だから大きな声でゆっくり分かりやすく伝えました。
若い頃の私であれば、考えも及ばないことです。
年齢を重ねて、昔と違う自分がいます。
司会する時にも、軽やかにまとめるのではなく、しっかりと重みをもって伝えようとしています。
人生を重ねてくると「言葉で人に伝える」と言うこと一つとってみても、大きな変化があるなと実感しました。
歳を重ねて失うものもありますが、得るものもあるのです。自分自身の仕事へのアプローチが変わったなと思う出来事でした。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《年取ったらそれにふさわしいやり方がある》
「なるほど、でもちゃんと仕事が出来て良かったね、自分がやって思う事と相手が感じることは違うと思うよ、歳にふさわしいやり方で頑張ったらええんよ」
「私も面白いなーと思たんよ」
「また、そういう機会があったらええねー」
臆することなく、自分の年代にふさわしい仕事をする。大切な事だと思いました。
留守番も楽しきものよ夏の月
母は私が仕事をしている間の留守番の様子を句にしました。その日は月夜で眺めているだけでも心癒される楽しいひと時を過ごしたようです。
留守番の人の気持ちなど考えない自分を少し申し訳なく思いましたが、月に癒されてよかったです。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
たくさんある記事の中から、私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただき心よりお礼申し上げます。
この記事が気に入っていただけたらスキを押していただけると励みになります。
また明日お会いしましょう。💗