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SDGsな芸術◇キャンバスはかまぼこ板
91歳の母は子ども用の落書き帳にイラストを描いています。母が使っている筆ペンとの相性がとてもいいようです。
キャンバスは描く人によって様々で、ハガキやTシャツ、中には家の壁をキャンバスにしている人もいると思います。
先日、ユニークな美術展を観に行きました。
本来は捨てるはずのものをキャンバスにしているのです。
そのキャンバスは、かまぼこ板です。捨てるものが芸術品に生まれ変わる、ある意味SDGsな美術展と言ってもいいと思います。
愛媛県の西予市城川町のギャラリーしろかわでは毎年「全国かまぼこ板の絵展覧会」が開催されています。面白いのは応募作品の規定です。作品のキャンバスはかまぼこ板でなければいけません。
その楽しい展覧会のことは以前noteの投稿でもご紹介せていただきました。それがこちらです。
「全国かまぼこ板の絵の展覧会」には全国各地からたくさんの人たちが応募します。その展覧会に第6回から26回までずっと応募し続け、何度も賞に輝いている方が、出品作品を集めた個展を開催するというので観に行ってきました。
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キャンバスは小さなかまぼこ板です。かまぼこ板に版画(シルクスクリーン)で印刷しています。
この作品を制作したのは愛媛県内子町の版画家山田きよさんです。
【版画家:山田きよさん】
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版画を始めて33年の山田きよさんは、愛媛県内子町五十崎の大凧合戦の凧絵や大洲赤煉瓦館のポスターなども制作している地域おこしに熱心な版画家です。
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【ギャラリーキャメルK】
山田きよさんの「かまぼこ板版画全作品展」は3月12日~17日まで開催されました。地元の作家たちが気軽に作品展を開いている、カフェも併設されたギャラリーです。
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【かまぼこ板がキャンバスの版画】
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【春暁のタバコ畑】
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【和の心】
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【ラストフライト】
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【夕焼け五輪】
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かまぼこ板をキャンバスにした作品制作の難しさを伺うと「シルクスクリーンはカッターナイフでくり抜いていく繊細な作業です、キャンバスが小さいので、一つの作品を仕上げるのにじっくり1週間くらいかかります」と答えて下さいました。
一枚の板に、15色も重ねているそうです。何と細かい作業なのかと驚きました。
山田きよさんによって、使い終わったかまぼこ板が美しい芸術品に生まれ変わっていました。小さなかまぼこ板のキャンバスにも、創作の無限の世界が広がっていることを再認識させられます。
今年も「全国かまぼこ板の絵展覧会」の作品募集が始まっています。締め切りは4月30日(消印有効)だそうですよ。
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【毎日がバトル:山田家の女たち】
《キャンバスがかまぼこ板とはね》
「あんた、私も観に行きたかったわい、ほじゃけど写真を見ただけでも作品の良さが分からい、山田きよさん言うて、女性かと思たら男性じゃったんじゃね」
「ほんと・・・、それは写真を入れてよかたわい」
「私は手描きかと思いよったんよ、版画で作品制作とは大変じゃ、このキャンバスがかまぼこ板とはね・・・」
母は山田さんの作品がとても気に入ったようです。使い終えたかまぼこの板が芸術作品に生まれ変わる、素晴らしいSDGsだと思いませんか。
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流れ来る曲はショパンか春の風
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春の風に乗って美しいクラシックのメロディーが流れています。母は心地いいその調べをショパンかしらと聞き入っている自分の姿を詠みました。
妹がピアノを専攻していたこともあって、母はピアノの音にとても敏感なのです。春の幸せなひと時の句です。
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また明日お会いしましょう。💗