初めての店のワクワク感
誰かが幹事をしてくれた食事会だと時々ある事だが、初めて訪ねる店に行く時はワクワクする。
先日も、初めてのお店で仲間の集いがあった。
事前にイタリアンの店という情報だけは入っていた。
場所と電話番号と会費が知らされていただけだった。飲み放題がついて6,000円。
問題ない会費だと思っていた。
LINEに添付されていたお店情報で、ビルの名前を頼りに入り口にたどり着いた。
茶色のレンガ造りの建物で、見た目はマンションのような構えだった。一階の店舗の横に、階段があった。
2階だと聞いていたので、階段を登ろうとすると、細くて急で、踏み外すと大変だと思いながら目的の場所にたどり着く。ドアは公団住宅の扉のような鉄製だった。
「ふーん、何だかお店じゃないみたい」そう思って入るのを躊躇していると、三々五々集まって来る仲間たちの声が聞こえた。
「あれっ、ここかな・・・」と言いながら、「見過ごしそうですよね」と言っている。
「でもやっぱり、ここですよ、お店の名前が書いてありますから」その言葉を聞いて鉄の扉をまじまじと見ると、錆びたような看板に店の名前が小さく彫ってあった。「ノギス」工具のような名前だ。
「不思議なお店だね、ワクワクする」そう言いながら中に入ると、そこは小さな個室だった。部屋の半分は吹き抜けになっていて、鉄の柵越しに一階のスペースが見下ろせる。覗き込むと階下は結構広いスペースだった。
壁はヨーロッパの古びた部屋のようで、ペイントした木目調の板が貼ってあった。
「こんな場所で、何を食べさせてくれるんだろう」と私は興味津々だった。
前菜が運ばれて来た。お皿の中央にちょこんとのっているフランスパンのカナッペを食べて「これは美味しい」と思った。塗ってあるレバーペーストが抜群だった。
次に運ばれてきたのが「カツオの刺身」だった。これが新鮮で美味しかった。薬味を細くスライスしてこんもり山のように盛っているのが嬉しかった。
秀逸はステーキだった。数人でシェアするのだが、焼き具合が抜群で柔らかくてジューシーだった。
キッシュも、デザートも何もかも美味しくて参加したメンバーたちは大満足だった。
美味しいものに出会うと誰かに教えたくなるものだ。
私はグルメの友人たちに、その店の魅力を伝えたいと思った。
初めて行った店がお気に入りになった。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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また明日お会いしましょう。💗
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