
ラ・カンパネラに魅せられて
私はそのコンサートで、何度も目頭が熱くなりました。その人が奏でるピアノの音色はすべてを超越していて、その人の人生そのものを演奏しているように感じました。まるで神が宿っているかのような演奏でした。
ブラボーです。
彼女の指先を通して彼女の魂が演奏しているような感覚でした。最後の演奏は代表曲のラ・カンパネラでした。
感染者数が比較的少ない愛媛だから実現したコンサート「フジコ・ヘミングN響メンバーの仲間たち」に行ってきました。
フジコ・ヘミングさんはスウェーデン人の画家で建築家のお父さんと日本人ピアニストのお母さんとの間でベルリンに生まれ、世界的ピアニストになるであろうと期待されながら、聴力を失う悲劇、国籍がない難民生活など数々の苦難を乗り越えて、NHKのドキュメンタリーでドラマチックな波瀾の半生と魂の演奏が紹介されて、一躍時の人となりました。
今回のコンサートでは永峰高志さんとN響のメンバーの五重奏とフジコ・ヘミングさんのコラボでした。
フジコ・ヘミングさんはシューベルト・ショパン・リストと幅広く演奏してくれました。
80代後半という年齢を考えると、とても信じられないバイタリティーです。
多くの観客がその魂の演奏に吸い込まれ、そのパワーに圧倒され、またそのエネルギーをいただいたはずです。
私には計り知れない、人生の多くの経験がピアノを通じて人々に感動を与えるのだと思いました。まるで、やさしい波のような曲、感情を揺り動かすよな活力ある曲、そして最後は多くの人が聞きたかった「リストのラ・カンパネラ」で締めくくられました。彼女のファンは大満足だったと思います。
ラ・カンパネラとはイタリア語で鐘のことだそうですがまさに、激しく心に響く鐘の音色でした。
私はフジコ・ヘミングさんの演奏を聴きながら、私の91歳の母と重ねていました。その年齢であれば、もう人前に立ちその上、演奏するなど考えられないことですが、彼女はそこにいて、多くの人の魂にピアノで語り掛けているのです。
目指すものもレベルも大きな隔たりはありますが、私は毎日イラストを描き続けnoteに発信している母を誇りに思っています。
彼女の演奏を聴きながら、私も出来る限り自分の表現できるものを長く追及していきたいと言う思いが大きくなりました。
フジコ・ヘミングさんにはこれからも多くの観客の心をその魂のピアノで揺さぶって欲しいと思います。
ラ・カンパネラの演奏のように壊れていても関係ない、それがその人のメッセージだと思いました。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《私も死ぬまで頑張るよ》
お昼ご飯に具沢山のお味噌汁を食べながらのばあばとの会話です。
「私も本当に聞きたかったわい、テレビでは見たことあるけど、生は絶対違うけんね」
「よかったよー」
「あんたは元気が出て良かったわい、本当に」
「フジコ・ヘミングさんは80代後半じゃけんね」
「私も頑張らんとね、死ぬまでやるよー」
まあ、何とパワフルなコメントだこと、ばあばは実行しそうです。
【ばあばの俳句】
イラストのピアノで我慢夏の宵
母はフジコ・ヘミングさんのコンサートに行けなかったことをとても残念に思って俳句を詠み、イラストを描きました。私が帰宅するまでの間、このイラストを描いて我慢していたようです。
きっとコンサートに行っていたら、ものすごくパワーを貰えていたと思います。残念がる母にその感動をたっぷり話しておきました。
▽「ばあばの俳句」「毎日がバトル:山田家の女たち」と20時前後には「フリートークでこんばんは」も音声配信しています。お聞きいただければとても嬉しいです。
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私のアルバムの中の写真から
また明日お会いしましょう。💗