私が子どもだった頃◇よろず屋さん
家の近所によろず屋がありました。店の二方が開け放されていて、入口の軒先には道路にはみ出すように、野菜や果物が木製のケースに入れられて並んでいました。
野菜はもちろん、肉や魚の干物、調味料、蚊取り線香やハエとり紙、石鹸もタワシも置いていたように思います。
生活に必要なものは何でも揃ったから「よろず屋」と呼ばれていたのです。コンビニエンスストアよりももっと地域生活に密着したお店でした。
店のご主人は、お客さんの家族構成や、食べ物の好みまで知っていて、買い物の時はおじさんやおばさんと四方山話をしながら、商品を買っていた記憶があります。
幼い私にとっては、チョコレートやあめ玉などのお菓子が買えるお店として記憶されています。薄い板チョコレートは特別な日に買ってもらっていました。銀紙をなかなか上手に剥がせないで、失敗したことがしょちゅうでした。
夏場はすぐに溶けてしまって、手がどろどろになったりして、残念な思いをしたこともあります。板チョコレートはご褒美的なお菓子でした。
よく買っていたのは、、ザラメが回りについている、カラフルなあめ玉でした。大きな透明のガラスの容器に入っていました。一個いくらだったんでしょう、金額は覚えていませんが、アルミの蓋をとる時に、ワクワクしたのを覚えています。
「ゆっ子ちゃん、どれがええかねー」と言われて、自己主張が上手く出来なかった私は、好きな色があったはずなのに「どれでもええよー」と言っておきながら、ソーダ味になった時は残念な思いをしたものです。イチゴの味が好きだったから。
甘くて、大きくて、喉に詰めそうで、なかなか溶けない、大きなあめ玉でした。昭和30年代頃のお話です。当時の私にとっては、その飴玉が今のケーキのような存在でした。
この上なく懐かしい、思い出深い食べ物です。おじいちゃんにもらった10円玉を握りしめて、買いに走った記憶があります。
近所の「よろず屋」私の懐かしい昭和の思い出の一つです。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《近くにあって便利じゃったんよ》
おやつタイムのアイスキャンディを食べながらのばあばとの会話です。
「ホントに近くにあって、便利じゃったわい、ご主人たちが地域の子どもたちに優しかったわい」
「私はお菓子を買いに行くんがたのしみじゃったんよ」
「ほんと、遠い昔のコンビニみたいなもんよ、近くにあったけん、便利じゃったわい」
母よりも、幼なかった私の方が懐かしいのは、お菓子の思い出に繋がっているからのようです。
【ばあばの俳句】
石鎚の裾野広がる植田風
石鎚山の裾野に広がる田園地帯は、田植えを終えたところも多く水面に太陽の光を反射しながら、青々とした新芽を伸ばそうとしています。広がる田んぼには植えたばかりの緑をそよぐ「植田風」が吹いています。何とも懐かしい、季節の状況を詠みました。
昔も今も変わらない風景を列車から見ている母が小さく描かれているのがかわいいでしょう。
▽「ばあばの俳句」「毎日がバトル:山田家の女たち」と20時前後には「フリートークでこんばんは」も音声配信しています。お聞きいただければとても嬉しいです。
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