諦めない◇少女のような91歳
人生の大きな節目である定年退職を前に、老後の生きがいを見つけなければと慌てて体力作りを始める人、自分の得意な事を極めようとする人、昔からやりたかったことを習い始める人などさまざまだと思います。
私は91歳の母を見ていて、やりたいことが見つかった時が好きな事との出会いだから、焦る必要はないと思うようになりました。
母は40代から俳句を始めて、90歳まで俳句を詠むことを生きがいにしてきました。
ところがnoteに親子ブログを発信することになって、イラストを描いて欲しいとお願いしてから、母はイラストに目覚めたのです。
90歳にして好きな事に出会いました。
それから一年半、毎日楽しく描き続けるようになり、今やイラストは母の生きがいです。
母がイラストを描いている様子を見ていると、まるで少女のように本当に楽しそうに描いています。
その進化は目覚ましく、イラストを描く事で、より思考回路が刺激されて頭の中も以前よりクリアになっています。
その母の姿を目の当たりにして、私は90歳を過ぎてからでも、好きなことが見つかる可能性があり、それが生きがいになることがあるのだと知りました。
人は幾つになっても好きなことが見つかれば、それがその時から生きがいになって、続けていけばどんどん進化して思いもよらない結果を生むと言うことを母が教えてくれたのです。
少しでも早く始めた方が、慣れることも進歩も早いのかも知れませんが、遅すぎるということはありません。自分が好きであれば年齢は関係なく、いくつからでも始められると思います。
この日、私がかまぼこ板をキャンバスにした「全国かまぼこ板の絵展覧会」への応募を勧めると、母は「大変だから応募せんでもええわい」と言っていましたが、チャレンジ精神に火がついたのでしょう、暫くすると「やっぱり挑戦してみよう」と言って、デザインを考え始めました。
かまぼこ板の中に収めるイラストはどんなデザインがいいのか、納得できるものを見つけているようです。
母の瞳が少女のようにキラキラと輝いていました。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《私は90歳でええもんに出会ったと思う》
「あんた、いっつも同じような事を書きよるね、少しづつは違うけど、まあいろいろ書いたらええわい」
「お母さんの趣味の事を書いたんよ」
「イラストでも毎日同じようなもんを描きよっても何か違うんよね、それで飽きずに続けられるんじゃと思う」
「お母さん生きがいは、いつからでも見つからいね」
「ほーよ、私は90歳でええもんに出会ったと思うよ、ありがとう」
最後はイラストを描いて欲しいとお願いした私にお礼まで言ってくれました。母はイラストに出会ったことで充実した毎日を送っています。
風光るファイトを胸にいざゆかん
風光るとは、春風がキラキラと光り輝くことを言います。陽光の踊るような明るさに、風に揺らぐ景色もまばゆいそんな光景を見ることが多い季節です。
母は自分の趣味を見つけて、日々気力を持って趣味を極めようとしています。そんな元気いっぱいの自分自身を詠みました。
最後までお読みいただいてありがとうございました。たくさんある記事の中から、私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただき心よりお礼申し上げます。この記事が気に入っていただけたらスキを押していただけると励みになります。
また明日お会いしましょう。💗