役者ってとても大変な仕事だ
私は人生で一度だけ舞台に立ったことがある。50歳の時だった。
テレビ局で一緒に番組を進行していた地元劇団の主宰者から「当て書きをするから舞台に立ってみませんか」という誘いを受けた。
50歳を節目に、何でもチャレンジしようと思っていた時に声をかけてもらったので、「やらせてもらう」と即答した。
アナウンサー歴が長かったので発声だけには自信があった。きっと声は客席に届くだろう。それだけを武器に私は初舞台に臨んだ。
役柄は大手デベロッパーの女部長で、廃れ行く町の商店街の人たちを甘い言葉で地上げさせようとする嫌なキーマンだった。
舞台でせりふを間違えないように、自宅で懸命にせりふを覚えている様子を父が見て、「お前大丈夫か」と言われた記憶がある。
演劇好きの人たちと数か月間稽古をして、役作りとはどんなものか、一つの舞台を集団で作り上げるのがどんなに大変なのかを学んだ貴重な時間だった。
その舞台での経験は私の大きな財産になったが、振り返れば何と無謀なチャレンジだったのかと思う。
役者には正解がなく、人間として心の奥の深いところまで考え、表現しなくてはいけない難しくも魅力的な仕事であり、それは選ばれた人だからこそ出来るものだと感じた。
ライブ配信で参加したドラマ「Eye Love You」のファンミーティングでもそう思った。
私は会場に主人公のユン・テオを探していたが、そこにいたのは俳優チェ・ジョンヒョプだった。それはもちろん当たり前のことなのだ。
チェ・ジョンヒョプはドラマの主人公を演じることで、私たちに純真でまっすぐな青年テオが現実の世界にいるように見せてくれていた。
日本語を十分理解できず、話すこともままならないのに、言葉の壁を乗り越えて物語の人物に命を吹き込むのには、大きな努力が必要だったと思う。それを想像すると胸に込み上げてくるものがある。共演者からもリスペクトするコメントがあったが、本当に素晴らしいと思った。
そして私はドラマのテオに会うためには、ドラマの映像を見るしかないのだと分かった。
これからはテオを演じたチェ・ジョンヒョプの俳優としての新たな活躍を応援しようと思う。
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