眠れない夜
こんなにも不安な夜を過ごしたことはありません。
家が吸い込まれていきそうな風の音と、建物の揺れに怯えながら
何度もカーテン越しにこわごわと外の様子を眺めました。
深夜なのに、すぐ前のマンションの窓からも明かりが漏れていました。
テレビから絶え間なく送られてくる災害情報に
不安が一層駆り立てられます。
「これまでに経験したことが無い台風被害が想定されます」
この言葉が脳裏から離れませんでした。
カーテンを入念に締めて、ベッドに入りましが
深い眠りにつけません。
再び目が覚めると、テレビのスイッチを入れて台風の動きを確認します。
私の住んでいる地域以上に、大変な状況の地域が映し出されています。
雨雲レーダー、進路予想図をチェックします。
「ギリギリ暴風圏に入っている」
「雨雲がかかっている」
「時間が経過しても、圏内だ」
そんなことを考えながら見ていると、再び恐ろしくなってきます。
翌朝、目覚めて恐る恐る玄関から眺めてみると
自宅の花木に咲いていた小さな花が道路のあちこちに飛び散って
へばりついていました。
「やっぱり風が凄かったんだ」
「このくらいですんで良かった」
もっと恐ろしい光景になっているのかと思っていたから。
「私たちの地域に台風が一番近づくのは、これからだ」
「暫く、不安な時間を過ごさなければいけない」
また風の音が強くなってきました。
「夜の恐怖と明るいうちの恐怖は違っている」
風の恐ろしさが再びフラッシュバックしてきました。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《今夜はしっかり眠れそうじゃ》
※92歳のばあばと娘の会話です。
「今までにない台風が来る言う言葉が頭から離れんかったけん、私も寝られんかったけん起きて情報を見よったんよ、朝になって外に出て見たら木の葉が大変な事になっとった」
「お母さん、出たらいかん言うのに外に出よったねー」
「その時は風も無かったんよ、我が家周辺はたいしたことなかったけんほっとしたんよ、今夜はしっかり寝られそうじゃ」
まだ台風が過ぎ去っていない時に、庭を掃いたと言う母の言葉に驚いた私です。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
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