「仕事がデキる・デキない」という安易な二元論に抱く危険性
とある総合情報系のWEBメディアが、
『なぜモテる?
男女問わず人が集まる
「万人モテする男性」の特徴3つ』
…なるタイトルの記事を配信しておりました。
とりあえず、その「特徴3つ」とは…
以下のとおりでありました。
(1)仕事ができる
(2)ポジティブ思考
(3)器が大きい
なるほど…これらすべての要素を兼ね備えている
「聖人」
…のようなヒトなら…
たしかにさぞかし万人から愛されることでしょう。
ただ、こんな風に…いわば
「大谷翔平選手みたいなヒトに
なれるように頑張りましょう!」
…って言われてもねぇ(笑)。
あまりに絵空事すぎてて…。
もうちょっと現実味のあるアドバイスも、
せめて一つくらいは欲しかったものであります。
…が、そこらへんのことはまあいい。
それよか、この記事を読んで
まずぼくの脳裏にまず浮かんだのは…はたして
「仕事がデキる人っていうのは、
具体的にはどういうヒトのことを指すのか?」
…という素朴な疑問でありました。
ぼくはこれまで約30年間──
「フリーランスの文筆家」
…としてメシを食ってきたため、
正直のところ(本格的な)チームプレイで
仕事をした経験があまりありません。
さらに、直に接する仕事相手は、
90%以上が「編集者」なので…
ぼくにとっての「仕事がデキる人」とは、
ほぼイコール
「デキる編集者」
…なのです。そして、ぼくにとっての
「デキる編集者」とは、ズバリ!
「ぼくにいらん迷惑をかけない編集者」
──よりいっそう自分本位な表現をしてしまえば、
「ぼくに心地良く
仕事をさせてくれる編集者」
…なんです。では、
「ぼくにいらん迷惑をかけない
(心地良く仕事をさせてくれる)編集者」
…とは具体的にどんなヒトなのか?
そのいくつかを思いつくまま
箇条書きにしてみましょう。
・お金の管理をキッチリしてくれるヒト
(=ギャラや経費の振り込みを
期日どおりにしてくれる)
・発注時にギャラの提示を
ちゃんとしてくれるヒト
(※その額面が予想より高ければモアベターw!)
・取材や出張とかの仕切りが完ペキなヒト
・インタビュー中に余計な質問を
差し込んだりして
会話のコシを折らないヒト
(=ライター側のインタビューが終わってから、
抜けていた質問項目を追加してくれる)
・ぼくの原稿の誤字脱字や矛盾点を的確に発見し、
やさしく指摘してくれるヒト
(※あるいは修正してくれるヒト)
・ぼくより年下でも
フレンドリーに接してきてくれるヒト
・出来の良くない原稿にはハッキリ
「ダメ出し」してくれるヒト
(※短期的にはムッとしてしまうこともあるが、
長期的にはぼくにとっても成長の糧となる)
・(願わくば)経費をガンガン使ってくれるヒト
(※今のご時世ではマストではない)
とどのつまりが、
「裏方に徹することができて、
ホスピタリティに優れた人物」
…ってことにわけですが、
そういう資質の持ち主が、
必ずしも「編集者」というカテゴリー以外でも
「仕事がデキる人」
…になれるとはかぎりません。
たとえば、営業職だと…こうした「控えめな性格」は
むしろマイナスに転じる可能性だってあるわけだし、
「経費をのべつまくなしガンガン使っちゃうヒト」は
経理職だと明らかに
「無能」のレッテルを貼られてしまいます。
一言で「仕事がデキる」と言っても、
その基準は部署や職種、業種ごとに千差万別──
したがって、やたら「仕事がデキる人」という
言葉を多用して、人間をバッサリと
「白・黒」
…で識別してしまうのは…
あまりに慎重さに欠けた
「思慮の浅い発想」
…だと、ぼくは思うのですが…いかがでしょう?
あえて確信犯的に「多用」することによって、
炎上へと導くひろゆき氏のような戦略も
なくはないのですが…?