爽秋の京都旅「ご当地グルメ、殿田食堂で衣笠丼」
ずっと本棚に積んでた川端康成著"古都"。2024年1月某日ようやく読み切る事ができました。
"生き別れの双子"という設定は今はもう使い古されていますが、複雑な家庭環境の描き方はさすがノーベル文学賞作家でしょうか。また川端康成の真骨頂といえば"雪国"を代表とする自然描写です。京都の四季が存分に詰まっていて、挿絵がなくとも情景がダイレクトに伝わってきました。
京都弁や京都を知らない人にとっては西洋文学並みに難しい内容となっていますが、京都好きは必ず一度は目を通しておくべき作品です。京都検定三級受験を考えている人も是非読んでみて下さい。
では旅の続きに参りますね。
前回"東寺道バス"停留所で降りた私は、イオンモールKYOTOを横目に東寺道コミュニティ道路を500mほど西へ歩きました。
そして室町通と交差する場所に到着。もう看板が見えてますね。黒い建物"京御宿 室町"さんが目印です。
今回お昼ごはんを頂くのはこちら。京都で大人気の定食屋さん。殿田食堂になります。
正面から見るとこんな感じ。なのですが・・・。
開店を表す看板はない。けれど暖簾は出てる。これってつまり開店って意味だよね。え?でもちょっと待って?"う"の部分がめくれ上がっている。なにこれ。京都の風習?開けていいの?
恐る恐る扉をスライドさせます。
さすが人気店。開店五分後に入店したのですがすでに先客がいました。
お店の中はこんな感じ。信楽焼のたぬきさんがにっこり微笑んでました。
待っている間すぐ食べられるよう、いなり寿司や巻き寿司が作り置きされています。これも嬉しいお店の配慮。
上に飾られている色紙は有名人のサインになります。左から順に今田耕司さん、荒川良々さん、岸井ゆきのさん、福田麻貴さん。配慮のため画像加工しています。
温かいお番茶。うちにもこういう湯呑ほしいなぁ。
外国人観光客にもわかりやすいyen表記がいいですよね。メニュー表を眺めている間も続々とお客さんがやってきます。
あっという間に席が埋まりました。まだ午前十時台です。
赤の下線が引かれている「他人丼」「肉うどん」「たぬきうどん」が殿田食堂のスペシャリテになります。
京都のご当地グルメといえば"たぬきうどん"ですが、二週間前にやっこさんで食べたばかり。京都に来る機会は滅多にないので同じメニューはさすがに気が引けます。
昔ながらの食堂といえばこれですよね、これこれ。
私が選んだメニューはこちら。京都衣笠山の雪景色になぞらえた衣笠丼です。
Wikipediaには大阪のきつね丼と同じと書かれていますが、今まできつね丼を見たことがありません。もしかしたら見逃していただけかもしれないので、地元の食堂で今度確かめたいと思います。
真夏に雪景色を所望し、山に白絹を掛けて雪に見立てたという宇多天皇の伝承に因んで、京都の衣笠山は"きぬかけ山"とも呼ばれています。
昔の上流階級の人たちって、センスほんと素晴らしいですよね。
山椒をふりかけてみました。ピリッと味変二度美味しい。
感想ですが、"ヘルシーなカツ丼"という表現は皆様に伝わりますでしょうか。お肉は入ってないけどお揚げさんに染みる出汁の旨味成分。口の中隅々まで広がって多幸感が全身を駆け巡ります。
"女性に人気"という衣笠丼のキャッチフレーズ。納得の旨さでした。
1964年に始められたお店で、今は二代目が切り盛りしているそうです。
殿田食堂さんのいいところは味だけではございません。京都駅徒歩圏内という神立地で、10時半から開店という大変便利な定食屋さんになっております。次はいなり寿司と他人丼を注文しようかな。
ごちそうさまでした。🙏
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