【hint.498】そういったイントロダクションだったのかな
今週の月曜日の夜は「原書で学ぶアドラー(原アド)」のミーティングでした。
そして、その次の日の朝にはこういったnoteを書いていました。
本当は、まだ頭がホットな今朝の段階で、昨晩読んだ「INTRODUCTION|序論」の内容整理をしてみようかと思ったのですが、その前段階のまとめで今朝は終わってしまいましたね。
また、今週のどこかで取り組んでみようと思います。
というわけで、内容の振り返り、やってみようと思います。
僕の場合、実際にテキストを持ち込んできてこの作業をやってしまうと、「隅から隅まで取り上げないと気がすまないスイッチ」が入ってしまうので、「いまの僕がなにも見ずに思い出せるものを自分の言葉づかいで」というスタイルにさせてもらいますね。
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・人の生き方を変えようとするのなら、その対象が自分自身であれ、他者であれ、成長して成熟したその人に現在起こっている出来事や感情の動きを取り扱うのではなく、その人の幼少期の鮮明な記憶(早期回想)を取り扱うことが重要である。そうでなければ、表面上の変化しか起こすことができない。
・「人は経験をつくる」。どういうことか。「ある同一の出来事から、二人の人間がまったく同じものを受け取るということはない」という重要な点がまずある。つまり、人は誰しも、自分の都合のいいように出来事を受け取り、解釈し、使う。つまり、幼少期に確立された「behavior pattern」にフィットするような現実(のみ)を、その出来事にみるのである。「自分にとって都合のいい経験をつくる」という作業をつみ重ねているのである。
・この本の中では、アドラー心理学(個人心理学)のことを「The Science (and art) of human nature(人間知)」と位置づけている。この「我々の考える人間知」は、一般生活においても重要であるが、一般生活においてその活用を誤ったとしても、すぐに大きな問題になることはないかもしれない。もはや「その時の誤りによって起こった問題だ」というつながりがわからないほど時間が経ってしまうことも、よくある話。しかしながら、特に精神医学に携わるものにとっては、この「(我々の考える)人間知」の活用の誤りというのは、大きな問題を引き起こしてしまうので、この「人間知」というものを、精神科医である私(アドラー)自身が話すことはなにも不思議なことではない。「精神医学における失敗は、すぐさま患者への罰となる」。
・我々が「人間知」を学び、日常において実践していく上では注意しないといけない点もある。一つに、この「我々の人間知(アドラー心理学・個人心理学)」は「growing(成長中・発展中)」だということ。すでに完成したものとして取り扱わないように。もう一つには、いくら良いものであっても、ふさわしいタイミングとやり方で提供されなければ、効果的なものではなくなってしまうということ。たとえ、どんなに素晴らしい料理でも、満腹の時に出されたり、まだ受け取る準備ができていないのに「これは絶対食べないと損をしますよ」などと言われてしまっては、その料理自体を食べたくなくなってしまうこともある。「modesty:謙虚」を忘れずに。
・「自分の生き方を変える」というのはとても難しいことのようである。
・我々は、「精神の発達の理想的な形に到達する」という意図を持っているわけではない。しかしながら、社会から孤立しているような、適当でない生き方をしているのであれば、他者との共生を大切に考えるような新しい考え方や、それに従ったパターンを身につけられるように、「人間知」を活用していくことは重要であると考えている。
・また、自分の中でなにが起こり、それはどういった源泉から生じてきているのか?ということについての自己認識や理解が深まることで、これまでの出来事やこれから体験する出来事に対する意味づけが変わるということは間違いない。そうなるともう、その人は変わっているのである。
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メンバーのみんなと読み込んでから4日ほど経ったいま、思い出せるのはこれくらいでしょうかね。
書かれている英語・日本語ともになかなか難しい言葉づかいのものが多く、読み進めていくのが大変で、「で、けっきょくこの序論ではなにが言いたかったんだろうね?」という話になったとき、初めはみんななかなか一言では表せませんでした。
あらためて振り返ってみると、ポイントは上に挙げたようなものだったのではないかと思います。
「アドラー心理学(個人心理学)」、この本の中では「人間知」という表現をされていますが、これを学び、自己の点検や、他者支援の際の理論的な枠組みとして生かしていくことで、「周囲の人たちとの共生をしやすい生き方」へと修正・メンテナンスしていくことができる。
そういったイントロダクションだったのかな、と感じます。
さて、この後にはどんな内容が続いているのでしょうね。
また、ご報告いたしますね。
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今日のあなたにも、自己理解が深まって「これまでとはすこし違う人になった」という瞬間がありますように。