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コラム26 多職種連携「少しでいいから視点を変えてみませんか?」
2022年3月3日追記
思うところがあり、2020年のコラムを2022年マガジンで読めることができるようにするとともに、このコラムを無料でどなたでも最後まで読めるようにしました。
==以下より本文です==
リハビリテーションは多職種で行うことが当たり前という視点に基づいてこのコラムを書いています。
「連携」についての研修会は毎年毎年あちこちでいろんな職種や団体さんが主催して開催されています。裏を返せば、「連携」や「チームアプローチ」や「協業」が大事だといいつつも、きちんと連携できていない人たちが多いんでしょう。
そうはいっても他人が何を考えているのかなんて正直超能力者でもない限りわからない。他人の気持ちもわからないなかで、連携を進めるのが難しいんですよね。
でもリハビリテーションには多職種連携は不可欠。回復期リハ病棟でのチームアプローチも、介護保険ての地域連携もリハビリテーションには必要です。
こんなコラムもかつて書いています
以下のコラムでは「多職種」「他職種」という用語を意図的に使い分けています。誤字ではありません。
なぜ連携はうまくいかないのか?
他人の心を読むことは出来ないのです。
だから自分中心に物事を考えがち。連携をするには相手がどのような情報を欲しているのか、他職種はどのような役割を担っているのかってことを知ることが必要なのだけど、そこを飛ばしてしまって
「自分が必要と考えていることだけで連携する」
から失敗するのです。
そんな連携は相手側からすれば「押し付け」以外のなにものでもありません。
連携を効果的の行うためには、いつもと違う視点で考えることが必要なのです。
・リハビリテーションはそもそも多職種連携で行うという視点
・他の職種のことを理解するという視点
・組織とか部門全体で考える「俯瞰する」という視点
少なくともこんな3つくらいの視点が必要なんじゃないかな。
リハビリテーションは多職種連携で行うという視点
コラムで何度も書いてきましたが、リハビリテーションという土俵に上がると理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は
「自分が何とかしなくては」とか「俺が治してやる」みたいに考える人が多い。
そもそもその考え方が間違っています。理学療法士は理学療法を実践する者ですし、作業療法士は作業療法を実践します。だからリハビリテーションは誰が実践しても構わないのです。PTやOTやSTがになっているのはリハビリテーション全体から考えるとその一部なのです。
病院勤務でいろんな人から「先生」「先生」といわれて舞い上がって「俺が治してやる」みたいに勘違いしちゃってるセラピストが多いんでしょうね。
リハビリテーションはいろんな人が関わるからこそ、回復期リハ病棟には多職種が配置される規定になっているんですよね。
だから、まずリハビリテーションは多職種連携で行うことか基本ってことを理解してほしいのです。
だから病院ではカンファレンスがあるし、介護保険領域ではサービス担当者会議やリハビリテーション会議などがあるのです。
それぞれの職種の役割分担や協業すべきことを明確にしてチームで目的を達成するために働くのです。
私は作業療法士として何が出来るかってことは考えますが、リハビリテーションのすべてを背負っているとは思っていません。
他の職種を理解するという視点
ここのところ他職種連携についてtweetしてるけど、最近こんなことをツイートしました。
多職種連携
— 山田 剛(臨床29年目の非常勤掛け持ちOT&個人事業主) (@yamada_ot_labo) July 24, 2020
「個」でプレイしているのはセラピスト
看護や介護職さんたちは「チーム」で動く
通所で掛け持ち勤務しながら、職員同士の連携には声掛けが必要だってことを改めて認識した
職種が異なれば役割も違うし、働き方とか動き方も違うのです。
とくに看護師さんや介護職さんたちは基本的にはチームで動きます。リハ職とはそこは大きく違います。
個別でマンツーマン対応する時間が40分とか60分もあるリハ職と異なり、看護師さんや介護職さんたちはマンツーマンで関わる時間が短いのです。だからチームで動きます。
それなのに、リハ職方たちはマンツーマンでの対応の仕方を事細かく伝えます。その対応が間違っているとは思いませんが、看護師さんや介護職さんが、一人の患者さんにどれくらいの時間関わることができるのかってことの視点を持ちながら、アドバイスすることが必要なんですよね。
ケースバイケースですが、一人に時間をかけることができる場合と、いくら頑張っても時間をかけられないことってあるんですよね。
効果的な連携のためには、他職種さんたちがその職場でどのような動き方をしているのかってことをきちんと観察する必要があります。
良い連携をするには、相手側の職種から見て気持ち良く実行できる要素が必要です。
相手側が「一緒にやってみたい」って思ってもらえるような関わりが必要なのです。
組織とか部門全体で考える「俯瞰する」という視点
リハ職が「個」で動いていると考えていることのデメリットはこの部分にもある。
介護保険での他事業所との連携などを考えると、ケースのことを通してスタッフ間同士の連携ではなく、事業所間の連携に発展するのですよね。
訪問リハなどでは時々「ご指名」で依頼が入ります。
「やまだOTさんの訪問でお願いします」
って感じですね。それがやがては「あの事業所は信頼できる」ってことになればいいなと思って行動しています。自分のやっている連携のポイントを同僚にもフィードバックします。
連携は「自己満足」ではありません。
自分がすっきりするから実践するのではないのです。
自分の好きとか嫌いとかという感情で動くのでもありません。
多職種連携
— 山田 剛(臨床29年目の非常勤掛け持ちOT&個人事業主) (@yamada_ot_labo) July 28, 2020
個人的に好きとか嫌いとかって感情があるのは仕方がない
だけどお仕事なので、そこは心の隅にでも置いてきちんと連携してほしいなと思う
好き嫌いでやってたらあかんと思う今日この頃
対象者さんの利益も考えないとね
あなたが個人で動く行動が、部門や組織の利益になる。
対象者さんの利益になることが必要。そうしてそのことが、組織の利益につながることが必要なのです。
そのためには、自分一人の仕事の視点だけでなく、
・職場全体で考えると自分の行動はどうなのか?
・他職種種はどんな風に動いているのか?
・部門としての方針はどうなのか?
という視点が必要になってきます。
とにかく「個」でプレイするのはリハビリテーションではないのです。
1人で訪問している訪問リハビリテーションでさえ「ケアマネ」さんとの連携は不可欠なのです。
「個」という視点を見つめなおすことが連携のポイントです。
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