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刀剣乱舞の殺陣の凄さと難しさについて、アンサンブルの視点から考えてみた


こんちには、山田大生(やまだたいき)です。

前回のnoteをたくさんの方に読んでいただいて驚きました。すごく嬉しかったです。

それと共に、抜刀道の知名度の低さにも気付かされました(泣)。僕は今30歳。刀の世界ではまだまだ若手です。若手が語るのもおこがましいのですが、刀の面白さを広めたいので発信していきます。ときどき読んでください!

刀剣乱舞の殺陣の凄さと難しさについて


今日は、舞台『刀剣乱舞』綺伝 いくさ世の徒花に、アンサンブルとして出演中の僕が思う、刀剣乱舞の殺陣の凄さと難しさについて書いてみたいと思います。

1.テンポのよさがすごい

刀剣乱舞の殺陣の大きな特徴は、テンポの良さだと感じます。目まぐるしく動く戦況。激しく入れ替わる敵。全てが流れるようでありながら、迫力があり、それぞれに魅せ場がありますよね。

正直最初は、このテンポに着いていくのがめちゃくちゃ大変でした。この人数で、そしてこのスピードで殺陣を行うのは、初めての経験です。

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自分の動きを覚えるだけでも大変ですが、さらに周りの動きも覚えないといけません。人数が多いため、1人ずれるとすべての歯車が狂ってしまいます。

でもその分、ぴったりとハマったときにはものすごい見ごたえがありますよね。

個人的には、殺陣は「全員で一つの生きもの」だと思っています。全員が連動して一つの大きな動きを作っているんです。

稽古中も、本番に入ってからも、細かい殺陣の動きを皆で話し合い、スムーズな動線や動きを確認してきました。アンサンブルのリーダーの福島悠介さんがシーンごとのアンサンブルの配置など全体を統率。下尾浩章さんが殺陣の絡みを細かく指導してくれるなど、先輩方が引っ張ってくださってます。

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前回も書いたように、舞台での殺陣と実戦を見据えた刀道の動きは違います。また、時代劇の殺陣の動きとも結構違う。

2.アンサンブル求められる素養多すぎ

そのため、刀剣乱舞のアンサンブルには、相当幅広い素養が求められると感じます。

バク宙などアクロバティックな動きができたり、攻撃・受けの動きの引き出しが豊富だったり、また所作が大きいと、とても舞台映えがするんですよね。

時代劇では、斬られてもバク宙することはありません(笑)。ですので、真剣や時代劇の殺陣経験があるからといって有利ということはなく、日々勉強です。刀剣乱舞出演を機に、これまでの刀に対する思い込みが変わり、視野が広がりました。

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殺陣の覚え方は、人それぞれの感性なので様々な方法が存在するはずですが、ざっくり大きく分けると2パターンあるんじゃないのかなと思っています。

1つ目は僕のように、刀の立ち振る舞いの延長で考える人。もう一つはダンスのように、動きを振り付けとして覚える人です。

どちらが良い悪いではなく、自分に合った身につけ方で良いのですが、僕は前者な分、派手な動きは苦手だと感じています。

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3.派手な動きが必要とされる

実戦を見据えた抜刀道では、刀の切っ先を相手から見えないように動き、こちらの攻撃の出どころ(上からか下からか、横からなのか)を探らせないようにします。そして流れるように刀を抜き、気付かれないよう納刀します。

派手に動くと「斬ってくれ」と言っているようなものですから、どうしてもさりげない動きがベースになってしまうんです。

また、戦況を意識するのに慣れているため、「右から斬りかかってきたなら、次はこう動くだろう」「後ろの敵はここを狙うはずだ」と、敵の動きを決め付けてしまいがち。作品としての殺陣の魅せ方や、スムーズな動線を意識することに苦戦しました。

4.斬られ方は難しい

そして、斬られ方も難しいんです。

アンサンブルの澤田圭佑さんに、コンマ何秒の間に、連続で攻撃を受けたときのダメージのリアクションを教えていただいたのですが、澤田さんの動きの速さは本当にすごい。何度も練習してますが、あんなに素早く動けません。

5.全体の俯瞰力がいる

真鍋恭輔さんには、体の動かし方やリアクションのバリエーションを。横田遼さんには、リアクションが大きく見えるコツを伝授していただきました。皆、自分のことだけでなく、全体を客観的に見て教えてくれるのがすごいなと思います。それぞれが連動しているので、1人の動きが変わると周りの動きも変わりますし、自分だけができていてもだめ。視野が広い人は尊敬します。

映像で自分の動きをチェックすると、「動きが小さいな。分かりづらいな」と思うことも多々。自分なりに修正を重ねて来ましたが、まだまだ理想には程遠いです。

自分の動きの引き出しを増やしていきたいですし、どこにいても客席から見つけていただけるような役者になりたいと思っています!

客席から刀剣乱舞を観てみたい!


ところで、僕たち出演者は毎日舞台に立ってはいますが、実際に客席からお芝居を観劇することができません。正面からの視点は、観に来てくださる方々だけの特権なんです。

これってなんだか不思議ですよね。席の位置によっても様々な見え方がするでしょうし、できれば全部の席から芝居を見てみたいくらい。観客の皆さんが羨ましくもあります

(ネタバレを避けると難しいだろうなとわかりつつも)どんな風に見えているか、感想をお聞かせいただけたら嬉しいです。

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ちなみに、舞台上から客席は、おそらく皆さんが思っている以上にはっきり見えています!会場の熱気も含め、喜んでくださっていることが伝わってきます。連日のスタンディングオベーションにも感動してます。時間遡行軍の表情は少々分かりづらいかと思いますが、多分かなり喜んでますよ。

稽古の開始は、まだ肌寒い時期でした。いつの間にか桜が満開になり、始まったばかりだと思っていた明治座の公演も、残すところあと僅か。寂しい気持ちもありますが、毎日すごく充実しています。

この素晴らしい舞台に立てる嬉しさを噛み締めながら、明日もがんばります!

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