暗闇の先で出会ったものは?〜むち打ち症体験記⑤〜
体験記③で、はちゃめちゃに病んだ時の話を書いたが、暗くて長いトンネルを潜り抜けた時は、明確にそう実感したのを覚えている
それは電車に乗っている時だった。
車窓の景色が視界に飛び込んできた時に、私の心は今健やかだ、と知った
それと同時に、病んでいた時は視界から色んなものが消えていたことがわかった
文字通り暗闇にいたのだ
視界に色々なものが飛び込んでくること。
空が青いなとか、風が気持ちいいなとか思えること。
それがかけがえのない幸せで、この幸せを何より死守したいと強く思った
またしばらくすると、少しずつ「あれしたい、これしたい」という意欲も湧いてくるようになった
何かを望むことは悩みも引き寄せるけど、何かを望める精神状態であることが既にものすんごく恵まれていると知ったから、病む前より心は平穏なのだ
暗くて長いトンネルを抜けて出会ったのは、前よりうんと強くてしなやかな自分だった